【ヘアドネーション活動について】活動団体や協力方法について分かりやすく解説します

最近メディアなどでも取り上げられている『ヘアドネーション』という活動を皆様はご存知でしょうか? まだまだメジャーではないこの活動は知れば知るほど奥深く、とても重要な活動ということで注目を集めています。しかし、、まだどのような活動なのか認知度が低いのも確かです。そこで、今まで興味がなかった方でもヘアドネーションの活動を理解していただけるよう、分かりやすく丁寧に解説をしていきたいと思います。

Hidada
久田 篤 監修
発毛診断士

目次

  1. 01芸能人の間でも話題のヘアドネーションとは
  2. 02ヘアドネーションされた髪の毛で作られた医療用人毛ウィッグのいいところ
  3. 03ヘアドネーションのやり方を徹底解説
  4. 04髪が短くてもできるヘアドネーションの協力方法
  5. 05まとめ

芸能人の間でも話題のヘアドネーションとは

昨今、さまざまな女性芸能人の方々がSNSなどに載せたりして注目が集まり出している『ヘアドネーション』という活動は、認知度が高まりつつある中、詳しい活動内容はまだまだ知らない方も多い現状にあります。そこで、まずはヘアドネーションがどのような活動なのかを説明していきたいと思います。

ヘアドネーションとはどんな活動なのか

ヘアドネーションとは

まず、ヘアドネーションという言葉を見ると、ヘア=髪の毛、ドネーション=寄付となっています。つまりその名のとおり、髪の毛を寄付する活動です。
本来、美容室などで切った髪の毛は、産業廃棄物として処理されています。当然ですがゴミという扱いになるわけです。ですが、実はそんな髪の毛を必要としている人がたくさんいるということを知っていいただかなくてはなりません。病気や事故、抗がん剤の副作用などで髪の毛を失ってしまう人たちは大勢います。そんな人たちの中でも、特に18歳以下の子供たちのためにフルオーダーの医療用ウィッグを無償で提供しているのが、このヘアドネーションという活動なのです。

ヘアドネーションの歴史と現状

まだ浅い歴史
ヘアドネーションの活動を国内で最初に始めたのは、『Japan Hair Donation & Charity 』通称『ジャーダック』というNPO団体です。2009年から活動を始めて2017年の今年で8年。まだまだ歴史の浅い活動です。
最近では、テレビや新聞、芸能人などのSNSで取り上げられるようになって、ようやく活動の認知度が高まってきました。しかし、医療用ウィッグを必要としている人はまだまだ数を絶たないようです。ジャーダックのHPを確認すると、現時点での待機人数を見ることができるので、ぜひ確認してみてください。

参考


大人であろうと髪を失えば辛いもの。多感な時期の子供たちが髪を失うということが、どれほど辛いことなのかを考えると、この待機人数もうなづけます。

ヘアドネーションの必要性

ヘアドネーションの現実

30人分の髪からひとり分のウィッグ
ヘアドネーションの活動がどのようなものかはご理解いただけたかと思います。では、なぜそれほどまでにこの活動を呼び掛けているのか。それは、ひとり分の人毛ウィッグを作る上で30人分の髪の毛が必要になるからです。
ウィッグの価格
だからといって、医療用ウィッグのようなフルオーダーの人毛100%のウィッグを購入しようとすれば、数十万円の費用がかかってしまうこともあります。とてもじゃありませんが、簡単に購入できるものではありません。
そこで、ヘアドネーションという活動が必要となってくるのです。しかし現実問題、まだまだ医療用ウィッグを必要としている方はたくさんいます。

ヘアドネーションされた髪の毛で作られた医療用人毛ウィッグのいいところ

先ほどから『医療用ウィッグ』という言葉がたびたび登場していますが、そもそも医療用ウィッグとはどのようなものを言うのでしょうか。また、『ファッション用ウィッグ』とどのような違いがあるのかまとめてみました。

ファッション用ウィッグと医療用ウィッグの違い

ファッション用ウィッグとは

おしゃれなどを楽しむ方は、ファッション用ウィッグを使用したことある方もいるのではないでしょうか。ファッション用ウィッグは、さまざまなおしゃれを楽しみたい方に合わせて作られた、バリエーション豊かなウィッグです。素材だけではなく、色もヘアスタイルも驚くほど種類があります。ロングヘアーの人がショートヘアーを楽しんだり、いつもとは違ったヘアカラーを楽しんだり、楽しみ方は実にさまざまです。服装によって簡単に髪型を変えられることや、すぐに髪型を戻すことができるのが魅力のひとつです。
しかし、ファッション用ウィッグは100%人工毛だったり、人工頭皮がついていないものが多かったりとサポート面は優れていません。サイズ調整やメンテナンスも行っていないものがほとんどです。したがって、敏感な状態の頭皮で長期間使用するというのは難しいと考えられています。お子様の頭皮でしたらなおさらです。

医療用ウィッグとは

一方、医療用ウィッグはファッション用ウィッグとは対照的です。医療用ウィッグは『自然に見える』『目立たない』を追求していて、頭皮や髪の毛が馴染むように作られています。
しかし、おしゃれを楽しむことができないというわけではありません。医療用ウィッグは100%人工毛ものが多く、さまざまなメリットが存在するのです。ジャーダックで無償提供しているウィッグがそれにあたります。
それでは次に、人毛ウィッグのいいところを紹介していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

人毛ウィッグのいいところ

見た目が自然

人毛は自然な光沢感で、自毛と馴染みやすくなっています。そのため、見た目がとても自然で、はたから見てもウィッグだと気付かれにくいのがうれしい特徴です。

触った感じが自然

触り心地の質感もとても自然で違和感がありません。しいて言うなら、人の髪の毛を触っているような感じです。

ヘアアレンジが楽しめる

人毛の嬉しい特徴のひとつに、ヘアカラーやパーマが楽しめるといった特徴があります。まるで自毛のようにおしゃれまで同時に楽しめるなんて、おしゃれなどを気にする年頃のお子さんなどにはとてもうれしい特徴です。

ヘアアレンジも自由自在

ヘアアイロンをかけたり、コテで巻いたり、ヘアアレンジも自由自在です。

シャンプーできる

もちろんシャンプーもできます。シャンプーの後はしっかりと乾かして形を整えましょう。

ヘアドネーションのやり方を徹底解説

では、ここからは実際にヘアドネーションを行うにはどうしたらいいのかを解説していきたいと思います。

ヘアドネーション時の条件

ヘアドネーションを行う際、いくつかの条件があります。その条件を満たしていない髪の毛は、せっかく寄付しても除外されてしまう恐れがあるので注意が必要です。また、活動団体によっても条件が異なる場合があるので、ヘアドネーションを行う場合には寄付する団体が定めている注意事項をしっかりと確認してから行ってください。
以下に、ヘアドネーションにおける日本の主な活動団体の条件を、2つほど上げていますので確認をしてみてください。

ジャーダック

・31cm以上の長さがある
・引っ張ると切れてしまうほどにダメージがなければ大丈夫
・くせ毛などの髪質、年齢、性別、国籍などは問いません
・完全に乾いた髪の毛

参考

15cmからできるつな髪プロジェクト

・髪の長さ15cm以上または31cm以上
・年齢、性別、国籍は問いません
・ヘアカラー、パーマ、ブリーチ、白髪染めをしている髪でも大丈夫です。

参考


この2つを見ると、大きな違いは寄付できる髪の毛の長さです。31cmの髪の毛の長さを伸ばすには、1ヶ月に伸びる髪の毛の長さが約1cmとして、おおよそ2年と7ヶ月かかる計算になります。そこまで伸ばすにはなかなかの根気が必要です。そう考えると、短い髪の毛でも寄付できるというのはとてもうれしいです。

ヘアドネーションの正しいやり方

ここからは、実際にヘアドネーションする際の手順をお教えしたいと思います。

手順

ヘアドネーションする際の手順は、大まかに分けて以下の3通りがあります。
自分でカット、自分で郵送
手順はこのようになります。

1) 必要な長さをはかって、カットする位置を決めます。

2) 髪の毛を本数の束に分けてから、カットする位置に合わせてゴムでしっかりととめます。

3) ハサミでカットします。(カットの詳しいやり方は以下のURLを参考にしてください。)

参考

4) カットした毛束をひとまとめにしてビニール袋などに入れます。

5) ジャーダックなどの活動団体宛てに送ります。
『ヘアドナーシート』という自身の情報や髪質に関してのアンケートのようなものを、ジャーダックのウェブサイトからダウンロードすることができます。それをプリントアウトして、郵送時に同封することで、活動団体に髪の毛が届いた際、仕分けがしやすくなるそうです。
美容室でカット、自分で郵送
カットした後の流れは前に述べたものと同じです。ただこの場合、美容室側の許可が必要になってきます。美容室側からすれば、どうしても通常のカットより工程や手間が増えてしまう分、デメリットが否めません。ですので、美容室でヘアドネーション用にカットしてもらう際は、必ず電話などで確認してからにしましょう。
美容室でカット、美容室が郵送
この方法は、ヘアドネーションを推奨する『ドネーション賛同サロン』へ行き、そこでカットしてもらう方法です。ドネーション賛同サロンなので、手順や注意点などもしっかりと把握していて安心して任せられます。カットした髪の毛は自分で郵送することも可能ですし、美容室に任せすることもできます。

やはり一番簡単な方法は『美容室でカット、美容室が郵送』でしょう。自分で切る方法は、せっかく伸ばした髪の毛を切る際に台無しにしてしまい、ヘアドネーションできなくなってしまう可能性がありますし、どのみち自分で切った後には、整えるために美容室に行かなくてはならないという手間もかかります。それに、後片付けも大変です。また、『美容室でカット、自分で郵送』も美容室側に手間を取らせてしまうので気を使います。そう考えると気兼ねなく行えるのがドネーションサロンで行う、『美容室でカット、美容室が郵送』です。

ヘアドネーション賛同サロンへ行こう

ドネーションサロンとは

ドネーションサロンとは、上記でも述べたようにヘアドネーションを推奨するサロンのことです。

ドネーションサロンに関してはジャーダックの以下のURLをご覧ください。お近くのドネーションサロンを検索することも可能です。

参考

髪が短くてもできるヘアドネーションの協力方法

ヘアドネーションの活動に参加はしたいけど、髪の毛を伸ばすのはなかなか難しい。また、近くにドネーションサロンがない。そんなあなたには、このような協力方法があります。

募金でウィッグ加工がスムーズに

活動、運営を続けていくにあたって、髪の毛の寄付の他にどうしてもさまざまな資金が必要になります。ウィッグ1体を製作するのにも約10~15万円ほどかかると言われています。また、ひとり分の毛束をウィッグに使用できるように処理するのにも資金がかかってきます。ウィッグ加工をスムーズに行うためにも、募金によって集まった資金はとても重要なものなのです。

募金の仕方

募金には以下の方法があります。

・賛同美容室にある募金箱に募金
・ジャーダック宛に銀行振込

詳しくはこちらを確認ください。

参考

ボランティアで活動協力

ボランティアスタッフとして活動に参加する方法です。どのような内容なのかは直接活動団体にご確認ください。

ボランティアの仕方

参考

まとめ

昨今、ヘアドネーションの認知度は高まってきました。しかし、実際にヘアドネーションをしたことがある方はまだまだ少ない現状にあります。この記事を読んで、興味や関心がわき、ヘアドネーションをしてみたいと思う方がいたら、ぜひ参加してみてください。あなたの髪の毛が子供達の笑顔につながるはずです。
Hidada
久田 篤
発毛診断士

プロフィール

日本臨床医学発毛協会認定の発毛診断士。自身も薄毛で悩んだ経験から育毛業界に参入、育毛剤やシャンプーの研究開発に携わる。また、育毛開発プロデューサーとして薄毛に悩む顧客に対し、多くの発毛成果を上げ様々なニュースサイトで取り上げられる。美容室コンサルタント、育毛コンサルタントという顔もあり、過去の発毛実績を基に『最後に読む育毛の本』を出版。久田篤のブログ:髪フサフサ.com(http://husa-husa1ban.com/