薄毛の女性にパーマはNGなのか!ダメージを抑えてヘアカラーやパーマなど髪型を楽しむ方法

女性は薄毛が気になり出すと、パーマをかけてフンワリとボリューム感を出したり、髪をカラーリングし、明るくして薄毛から目を逸らしたりする効果を望んでしまいがちですね。ですが、こうしたパーマやカラーリングが逆に薄毛を進行させてしまう事もあるため要注意です。薄毛でも、オシャレな髪型をしっかり楽しめるという事を解説します。

Hidada
久田 篤 監修
発毛診断士

目次

  1. 01パーマが女性の薄毛を悪化させる?その原因とは
  2. 02薄毛が気になる場合は、パーマもカラーもダメ?
  3. 03薄毛が気になる女性でもお洒落が楽しめる髪型
  4. 04頭皮のケアは継続しましょう
  5. 05まとめ

パーマが女性の薄毛を悪化させる?その原因とは

パーマをかけた時に、「頭皮がヒリッとする」と感じた事はないでしょうか。この刺激が頭皮を傷めて脱毛に導いている証と言えるでしょう。
こうした症状はパーマだけでなくヘアカラーやブリーチにも同じ事が言えます。パーマやカラーのどのような成分が脱毛を誘発してしまうのかを解説します。

パーマが薄毛の原因と言われる理由

人間の頭皮はPH5.0前後の弱酸性でかなりデリケートなものです。
一方、パーマ液のほとんどが、強力なアルカリ性でPH9.0程度もある強い薬剤と言っても過言ではないでしょう。
もう少し詳しく説明すると、「パーマ1液」には、主成分であるチオグリコール酸が配合されており、「パーマ2液」には、これと同様の強さのある臭素酸ナトリウムが含まれています。とくにチオグリコール酸は強い化学薬品と言えるでしょう。

こうした肌への刺激を与えやすいパーマ液成分が、頭皮の上で強烈な化学反応を起こしてしまっているのです。当然、パーマを繰り返す事により、髪は弱くなり、同時に頭皮に刺激を与え続ける事になります。
頭皮はたとえるならば、植物を育む土壌のようなものですから、土壌を痛める事は植物である髪の毛を健康に育てられない、という事になるでしょう。
こうした化学系薬剤を用いたパーマ液により、頭皮トラブルである湿疹や、皮膚炎、かゆみ、フケなどを引き起こし、挙句には脱毛という結果になってしまうのです。

ヘアカラーやブリーチも薄毛や抜け毛の原因に

頭皮トラブルを引き起こして、薄毛を誘発してしまうのは、パーマだけではありません。
化学薬品や人工着色料などが配合されたヘアカラーやブリーチもく頭皮に刺激を与えて、炎症、脱毛をひきおこしてしまうでしょう。ちなみに、頭皮は他の皮膚よりも浸透性が高いため、こうした刺激性の成分をグングン浸透させてしまうのです。

また、自宅にてセルフで簡単に染めることのできるヘアカラーやブリーチの薬剤を使用した後にしっかり染料が落ちてないという点も脱毛につながります。
さらに、元々皮膚が弱かったり、パーマやヘアカラーでかぶれなどのトラブルを起こした事のある人も、頭皮に与える刺激リスクは高いと言えるでしょう。

パーマをかけたら薄毛が加速?回復するの?

基本的に、パーマは髪の毛にかけるものですが、パーマ液をつける段階で地肌に液がついてしまうものです。パーマによる薄毛は、時間と共に回復します。その回復期間は、肌の生まれ変わるサイクル「ターンオーバー」を考えれば約3ヵ月かかるでしょう。
ですから、パーマをかけるときは、最低でも3ヶ月間は空けるようにし、地肌に炎症がある場合、炎症が治まってからにするようにしましょう。

薄毛が気になる場合は、パーマもカラーもダメ?

薄毛だからと言って、オシャレなヘアスタイルを封印する必要はありません。髪や頭皮に与えるダメージを最小限に抑えながら、パーマやカラーを楽しむ事もできるのです。その方法は次にあげるものです。

ヘアカラーはヘナかマニキュアに変える

現在、ヘアカラーで白髪や栗色髪を楽しんでいる方は、他の染料に着目してみましょう。
通称、酸化染毛剤と呼ばれるヘアカラーは、染めた日から約2か月間、その色をキープします。白髪を染めたい方や、髪をはっきり明るくしたい方から支持されている染め方です。
そのメカニズムとしては、髪を黒くする働きのあるメラニン色素を分解、脱色し、そこに染料を結びつけるという工程です。
こうした複雑なメカニズムを生み出すには、濃度の高い化学的薬剤が用いられるため、パッチテストを行ってから、カラー作業をスタートする美容室も少なくありません。

一方、ヘアマニキュアは、色の風合いこそ、2〜3週間程度しか持続しませんが、ヘアカラーのように髪のメラニン色素を脱色する事がないため、髪や頭皮には穏やかな効果をもたらしてくれます。
また、最近は自然派素材染料であるヘナに注目が集まっていて、ヘアカラーやヘアマニキュア以上に安全で安心のカラーができるのです。
こうしてヘア染料を比較してみても、頭皮への刺激が否めないヘアカラーより刺激が少ないヘアマ二キュアやヘナをセレクトする事が望ましいでしょう。

パーマをかけるなら回数を減らす

どうしても、パーマをかけないと上手く決まらないヘアスタイルもある事でしょう。パーマによる地肌のダメージは、ターンオーバーなどを考えると2〜3ヶ月の回復期間を要します。
こうした事を考えれば、パーマをかけた後は最低でも3ヶ月は開けたほうが良いですね。別の言い方をすれば、「パーマの回数を減らす事が望ましい」と言う事になります。
「パーマがとれてきてなかなかヘアスタイルが決まらなくなってきた…」という人は、自宅でコテやホットカーラーなどを上手に取り入れれば、多少、髪が傷む事があっても地肌に刺激を与えずにヘアスタイルをキープできるでしょう。
薄毛悩みから解放されるには、こうした地道な努力も必要です。

チオグリコール酸を使用しないパーマも!

最も地肌に刺激を与えてしまうのが、「パーマ1液」に配合されているチオグリコール酸です。最近は、この刺激成分を使用しない“クリープパーマ” “デジタルパーマ” “エアウェーブ”などがあります。
こうしたパーマは髪や頭皮にダメージが少ないというメリットがある反面、パーマ特有のカール力が持続できないというデメリットもあるのです。ですが、薄毛の悩みを抱えているならば、地肌に優しく、脱毛リスクを抑えたこれらのパーマをセレクトした方が良いでしょう。

美容師さんのコメント

「デジタルパーマは熱を直接ロッド(パーマを巻く筒状のもの)に流すものなので、選定する薬剤によっては負担が大きくなり、薄毛細毛の方にはあまりオススメ出来ないですね。
クリープパーマはクリープ期といって、薬剤の反応をコントロールする手法となります。
凄く専門的な話になるので割愛しますが、これは昔からある手法を最近の美容業界のダメージを少なく、かつパーマ保持を長くしたいという傾向から改めて注目された手法です。
基本的には薄毛軟毛細毛の方に適していると言われています。
なのでクリープパーマがオススメです!
あとはこれも専門的、技術的な話になりますが、ケラチンやヒアルロン酸など前処理剤を使って毛髪のコンディションを整えてからパーマの施術を行うと負担軽減をしつつ、立体的なパーマ、張りコシのあるパーマをかけることができますよ!!」
choosy' choosey HAIR makaさん

薄毛にはダメージを少なく開発したクリープパーマがベストなのですね。また、パーマ前の前処理があると、仕上がりに張りコシを出せるなら、ぜひ、挑戦してみたいですね。
パーマの種類によっては薄毛の方でもチャレンジできるパーマがあるため、薄毛だからといってパーマを諦める必要はないでしょう。

薄毛が気になる女性でもお洒落が楽しめる髪型

薄毛が気になる女性でも髪型のアレンジや、ボリューム感を上手く引き出すスタイリングでオシャレを楽しむ事が十分可能です。髪の長さ別にご紹介致します。

ロング

ロングヘアの人は髪が長い分、髪の重さがかかり、地肌が引っ張られてしまいます。それによってロングヘアの人はショートヘアの人と比較すると、ツムジや分け目などがある頭頂部の薄さが目立ちやすくなるでしょう。
ですが、ロングヘアは女性らしさを強調する髪型でもありますので、「長い髪で女性らしさのあるロングスタイルを保ちたい」と考えている女性も少なくないのです。
ロングヘアの場合、思い切ってエア感の出せるショートカットをオススメしたいところですが、ここでは、ロングヘアのアレンジを上手くする事で頭頂部の薄さをカバーする方法をご紹介致します。

お団子ヘア

少し前に流行ったお団子スタイルです。髪をポニーテールにしてクルクルっとお団子にしてピンで留めるだけです。この時、もう少しボリューム感が欲しいと思ったら、部分ウイッグを使ってあげるとさらにボリューム感が出せるでしょう。

ミディアム

ロングヘアと比較すると、シャンプーの量も少なくて良いですし、ドライヤーの熱を当てる時間も少なくて良いことから、地肌にもダメージが少なくて薄毛対策としては理想的なヘアスタイルです。
トップにレイヤーを入れて動きをつければ薄毛をカバーできます。さらに、毛先に部分的なパーマをかけてエア感を出すとフンワリと適度なボリューム感が出て薄毛も気にならなくなります。また、毛先にカールをつける事で、髪の薄さが気になる頭頂部から目をそらす効果が期待できます。

ショート

薄毛対策には一番効果的なショートヘアは、ロングやミディアムと比べても頭頂部にレイヤーを入れやすく、スタイリング剤を適量つけるだけでボリューム感が出せます。また、分け目を変えてあげると、そこだけに負担がかかりにくいため、お風呂上がりなどに、頻繁に分け目をつけてあげましょう。

美容師さんからのアドバイス

「薄毛の方の似合う髪型ですが、ロングに関して、頭頂部がどうしてもペタンとボリュームダウンしてしまうので、表面にポイントでレイヤーを入れてあげる事でボリュームが出しやすくなります。
また他にも、前髪をなるべく奥から作るなど色々と提案は出来ると思います。」
choosy' choosey HAIR makaさん

女性らしさを醸し出せるロングヘアを薄毛だからと言って諦めたくはないものです。
ロングならば、頭頂部にレイヤーを入れて動きを出したり、前髪を奥から作ってあげたりするだけでも薄毛対策になるのですね。

美容師さんとしっかり相談する

「ボブスタイルやショートでパーマをかけるなど何でも出来るので、あまり薄毛の方ご本人がこれしか出来ないと思わずにトライすると意外と何でも大丈夫なので決めつけない事が大切かなと思います。
ただ、モデルさんの写真で物凄く髪が多い人のスタイルを見せて「コレにしてください」と言われたら、仕上がりの印象は変わるので、カウンセリングでしっかりスタイリスト(美容師)との擦り合わせをしないと、「全然違う!」なんてことになりがちなので注意が必要です。
結局はスタイリスト(美容師)の手腕ですよね。
薄毛だからと言ってこれしか出来ません!て事はないと思います。」
choosy' choosey HAIR makaさん

カット前に行うカウンセリングの中で美容師と薄毛に合うヘアスタイルの擦り合わせを兼ねた相談をする事が大切なのですね。
薄毛だからと言って、ヘアスタイルのセレクトが狭まるわけではないとの事で、安心して色々な髪型にチャレンジできるでしょう。

頭皮のケアは継続しましょう

薄毛でも素敵なヘアスタイルを楽しめる事ができると自信がついたら、頭皮の状態が少しでも良くなるように、あらゆる対策を行いましょう。
以下のような事に気をつけながら、健康的に生きる事が頭皮にも髪にも良い影響を与えて、薄毛対策になります。

シャンプーの成分に気を使う

今まで、髪の質感を美しく仕上げるためのシャンプーを使っていた人は、地肌に優しい仕上がりを目的としたアミノ酸系シャンプーに切り替えてみましょう。頭皮ケアをしっかりすれば、丈夫でコシのある髪が生えてくるのです。

育毛剤も使用してみる

今までは、シャンプーのみで済ませていたヘアケアも、育毛剤をプラスする事でワンランク上の頭皮ケアをめざします。女性ホルモンの変化に着目した薄毛悩み専用の育毛剤をセレクトしましょう。

ストレスをためない

ストレスは血流を悪くして、頭皮の状態を悪くしてしまいます。なるべくなら、血流を良くする運動を取り入れたり、趣味に没頭する時間を作ったりとその日のストレスはその日のうちに消化してしまいましょう。

食事に気をつける

三食バランスよく食べるのが基本ですが、更に爪や髪の成長を助ける亜鉛や、ミネラルなどを取り入れられれば尚良いでしょう。

十分な睡眠をとる

午後10時〜午前2時の間にしっかりと睡眠がとれる事は、髪や肌にとって効果的な女性ホルモンや成長ホルモンの分泌をスムーズにしてくれるでしょう。睡眠がとりやすい部屋環境や、自分が眠りにつきやすい寝具選びも質の良い睡眠が得られる事でしょう。

まとめ

今まで述べたように、薄毛でもお洒落できるヘアスタイルを楽しみながら薄毛対策をすれば、ストレスもためにくいですね。
生活習慣を改めても、なかなか改善しない薄毛は、治療が必要な病気が隠れている可能性があります。早めに専門医に相談する事が大切です。
薄毛の原因が明らかになる事で、不安が解消され、原因に見合う対策を施していけば良いでしょう。
Hidada
久田 篤
発毛診断士

プロフィール

日本臨床医学発毛協会認定の発毛診断士。自身も薄毛で悩んだ経験から育毛業界に参入、育毛剤やシャンプーの研究開発に携わる。また、育毛開発プロデューサーとして薄毛に悩む顧客に対し、多くの発毛成果を上げ様々なニュースサイトで取り上げられる。美容室コンサルタント、育毛コンサルタントという顔もあり、過去の発毛実績を基に『最後に読む育毛の本』を出版。久田篤のブログ:髪フサフサ.com(http://husa-husa1ban.com/