ワックスをつけすぎるとハゲる原因になる?髪をセットする際に気を付けたいポイントについて

学校や職場など毎日の日常生活でワックスやジェル、ヘアスプレーなどの整髪料を使ってしっかりと髪をセットしている人も多いでしょう。しかし、毎日使用しているその整髪料は髪に悪い影響を及ぼすことはないのでしょうか?やはりその整髪料による薄毛が気になってしまいます。今回はそんなワックスなどの整髪料は薄毛の原因となるのか、またどのような点に気を付けて使用すればいいのか、どのようなケアをすればよいのかについて解説していきます。

Hidada
久田 篤 監修
発毛診断士

目次

  1. 01薄毛になるメカニズム
  2. 02ワックスと薄毛について
  3. 03正しいスタイリングの方法
  4. 04セットした後は正しいケアをする
  5. 05まとめ

薄毛になるメカニズム

ワックスなどの整髪料の使用による薄毛について理解するために、薄毛になってしまう原因やメカニズムについて理解する必要があるでしょう。どのようにして髪は抜けてしまうのでしょうか?

髪の発毛の仕組み

まずは髪が生えてくる仕組みについて解説していきます。

髪は生えては抜けるを繰り返している、ヘアサイクルについて

髪は絶えず生えては抜けるサイクルを繰り返しています。人の髪の毛は一日に約100本ほど抜けると言われています。シャンプーをしているときや、寝て起きたときに枕に抜け毛がついていたり、髪をくしや手でかき上げたときなどに気づくことがあるかと思います。これは健康な髪や頭皮を持つ人でも起こり得ることです。
この髪が生え始めてから抜けるまでのサイクルは約4~5年の周期で行われます。そのサイクルの過程では最後には退行期と呼ばれる髪の成長が止まり毛根部分が委縮する期間、髪が抜けるのを待ち、その奥で新しい髪の毛が発毛の準備をする休止期を経て新しい髪の毛に押し出されるようにして脱毛します。

発毛には頭皮環境をいい状態に保つことが重要

髪の毛はどのようにして伸びているのでしょうか?
髪の毛は頭皮を境にして頭皮の奥に埋まっている部分を毛根部分、頭皮の外に出ている部分を毛幹部分と分けることができます。髪の毛が伸びるとき、この頭皮の外に出ている部分である毛幹部分や毛先が伸びていると勘違いしている人も多いことかと思います。しかし、実際には頭皮の外に出ている部分は細胞が死んで角質化した部分です。そのためにダメージを受け劣化することはあっても成長することはありません。
では、どこで髪の毛は成長しているのでしょうか?
それは毛根部分です。毛根部分には髪の毛を作る組織があり、そこにある毛乳頭が頭皮からの栄養を吸収して毛母細胞と呼ばれる組織へ供給し、毛母細胞が髪の毛を押し出すようにして細胞分裂、増殖しながら出来た細胞が角質化していくことで髪の毛は伸びていきます。

なぜ薄毛になるのか

ではどのようにして薄毛になるのでしょうか?

様々な要因によって髪と頭皮はダメージを受ける

髪や頭皮は様々な要因によってダメージを受けます。日々の日差しによる紫外線の影響や頭皮から分泌される過剰な皮脂、食生活や生活習慣の乱れ、間違ったシャンプーやヘアケア、スタイリングやスタイリングの後ケアを怠ることなど多くのことが髪と頭皮には悪影響を与えます。特に頭皮へのダメージが深刻になると薄毛は進行しやすくなります。

頭皮環境の悪化とヘアサイクルの乱れ

先ほど髪の毛は頭皮で作られるということをお話ししましたが、この頭皮へのダメージは髪の毛にとって、とても大きいものです。頭皮は他の部分の皮膚と基本的には同じ構造をしていますが、他の部分の皮膚に比べ、保湿機能が低く、水分量も少なく、皮脂腺や汗腺が多くあるために皮脂や汗で汚れやすく、とてもデリケートでダメージを受けやすい部分でもあります。
食生活が乱れ、油分が過剰に分泌されたために毛穴が詰まったり、運動不足やストレス、喫煙などによって血行が悪くなったりすると頭皮の機能や髪が生える力が弱くなってしまいます。そうした場合、発毛のために行っているサイクルが乱れて早い段階で髪が抜けてしまったり、抜けた後の髪の発毛が遅くなってしまいます。この状態となったときに薄毛となってしまいます。

ワックスと薄毛について

ここまでで髪の毛が発毛する仕組み、薄毛となる過程について理解できたことかと思います。
では、ワックスなどの整髪料が髪にどのような影響を及ぼすのか詳しく見ていきましょう。

髪をセットするワックスやスプレーなどの成分について

髪をセットするための整髪料はどのような成分でできているのでしょうか?
現在手に取ることができる整髪料は手に取ったときの形状から整髪力の強さ、ツヤの出方や質感など様々な種類のものがあります。これらの整髪料には分量のバランスなどに違いはありますが、主に、髪の毛を覆いスタイリングをキープする樹脂や糊状の成分、髪の毛をしっとりさせて髪の毛の広がりを抑える保水効果のある成分、髪の毛の表面に油分を馴染ませることで髪を滑らかにして髪同士の摩擦を抑える保脂効果のある成分が入っています。

乾燥や毛穴のつまりなどに注意が必要

スタイリング剤は正しい使用やケアをしないと薄毛の原因となることもあります。では、ワックスが髪の毛にとって悪影響を及ぼす場合はどのような場合でしょうか?
ワックスなどの整髪料が髪の毛や頭皮に及ぼす悪影響として注意したいのは髪の毛に与える影響と頭皮の毛穴のつまりによるものです。髪の毛に与える影響としては髪に滑らかさや柔軟性を持たせるために含まれている界面活性剤と呼ばれる成分によるもので、髪の毛からタンパク質を奪い枝毛や細い髪の要因となってしまいます。
頭皮への影響としてはスタイリング剤を使用することで、粘着力を増した髪の毛にゴミやホコリなどの不純物がついてしまい毛穴のつまりの原因となってしまいます。また整髪料自体によって頭皮の毛穴が覆われてしまったり、つまりの原因になることも考えられます。

正しいスタイリングの方法

ワックスなどのスタイリング剤が髪や頭皮にとって悪影響を及ぼす場合があることについてわかりましたが、どのような点に気を付けて使用すれば良いのでしょうか?

スタイリング剤をつける前にベースをしっかり作る

髪や頭皮にとって整髪料を付けすぎないことはとても重要なことです。できればキャップなどのアイテムで整髪料をつけなくてもよいコーディネートをしたり、ちょっとの外出ではつけないなど、なるべくつけないようにしたいところですが、つける際にはつけすぎないことが重要です。
どのようにすればつけすぎずに済むのでしょうか?
それは整髪料をつける前のベースづくりをしっかりとすることで改善することができます。整髪料を使用するときはまず、濡れた髪をしっかりとタオルでドライして、ドライヤーで乾かしながらベースとなる形を作り、ボリュームを出したいところを根元からしっかりと立ち上げるようにします。

スタイリング剤は適量を使う

ベースをしっかり作った後は適量をつけるようにしましょう。しっかりとしたベースづくりができていれば、少量の整髪料でスタイリングすることができます。また整髪料を付けすぎると整髪料自体の重みで髪の毛のボリュームが出にくくなっていくので少量のスタイリング剤でセットすることはスタイリングの出来もよくなるでしょう。

髪の根元に注意、頭皮につかないようにする

スタイリング剤を使用することで頭皮の毛穴を覆ってしまう、詰まらせてしまうことが悪影響の原因になると解説しましたが、つける際にも出来るだけ頭皮や毛穴に直接つくことがないように注意してスタイリングしていきましょう。

セットした後は正しいケアをする

スタイリング剤が髪や頭皮に与える影響を最小限に抑えるためには、使用した後のケアがとても大事です。スタイリング剤を使用して髪をセットした後にはしっかりとケアをして、髪の毛と頭皮を健康な状態に保ちましょう。ここからはスタイリング剤を使用した後のケアについて解説します。

長時間つけたままにしない、寝るときはしっかり落とす

スタイリング剤を長時間付けすぎない必要があります。なるべく必要な時間だけつけるようにして、つけた後そのまま寝てしまうことなどがないように、使用したときはしっかりと落としきることを心がけましょう。

シャンプー前はぬるま湯でしっかりすすぐ

スタイリング剤を使用した際は、シャンプーをすることでしっかりと落としきることが重要ですが、しっかりと落とすためにはただシャンプーをするだけでは落ち切らないことがあります。そのために、シャンプーをする前は、一度ぬるま湯でしっかりとすすいである程度の整髪料とごみや汚れを落としてからシャンプーをするようにしましょう。

蒸しタオルも効果的

ぬるま湯でしっかりと落としきることと同様に、シャンプー前に蒸しタオルなどで整髪料や髪や頭皮についたごみや汚れ、皮脂などを落ちやすくする工夫も効果的です。

スタイリング剤はシャンプーでしっかり落としきる

事前にしっかりと整髪料が落ちやすい状態が出来たらシャンプーをしていきます。シャンプーで落ち切らない場合も多いので、そういった場合は2度シャンプーをするのが良いでしょう。またシャンプーをする際にはシャンプー自体による摩擦や、シャンプー剤自体で髪の毛や頭皮に悪影響を及ぼすことが考えられるため、シャンプーをする際は一度手のひらでしっかりと泡立ててから、すすぎ残しが頭皮の毛穴のつまりの原因とならないように、しっかりとすすぎきるようにしましょう。

まとめ

現在髪のスタイリングをキープするためのワックスを始めとしたスタイリング剤は整髪力の違いや、ツヤ、質感の違いなどによって様々な種類のものがあります。これらのスタイリング剤は髪の毛や頭皮に悪影響を与え、健康な発毛を妨げる要因にもなります。スタイリング剤を使用する際には正しい使用方法でスタイリングして、使用した後はしっかりと落としてケアするなどして、髪の毛や頭皮への負担を抑え、薄毛の要因とならないようにしましょう。
Hidada
久田 篤
発毛診断士

プロフィール

日本臨床医学発毛協会認定の発毛診断士。自身も薄毛で悩んだ経験から育毛業界に参入、育毛剤やシャンプーの研究開発に携わる。また、育毛開発プロデューサーとして薄毛に悩む顧客に対し、多くの発毛成果を上げ様々なニュースサイトで取り上げられる。美容室コンサルタント、育毛コンサルタントという顔もあり、過去の発毛実績を基に『最後に読む育毛の本』を出版。久田篤のブログ:髪フサフサ.com(http://husa-husa1ban.com/