【男性が縮毛矯正するとはげる説は嘘か本当か】ストレートパーマとの違いと頭皮への影響

縮れ毛やくせ毛が気になって縮毛矯正を考えている方の中には、「縮毛矯正をしてはげたりしないか」と気になっている人もいるかと思います。ヘアカラーやパーマはやり過ぎるとはげる原因になると聞くので、同じように髪の毛を変化させようとしてる縮毛矯正でもはげるのではと考えても不思議ではありません。
そこで今回は縮毛矯正とはげの関係性、そして間違えられやすいストレートパーマとの違いについてもご説明いたします。

Hidada
久田 篤 監修
発毛診断士

目次

  1. 01縮毛矯正の仕組み
  2. 02縮毛矯正がはげる直接的な要因ではない
  3. 03縮毛矯正には失敗例も多数ある
  4. 04セルフで縮毛矯正は危険がいっぱい
  5. 05縮毛矯正ははげるのか

縮毛矯正の仕組み

初めに縮毛矯正の仕組み、なぜくせ毛が直せるのかをご説明します。
まず髪の毛の内部にはいくつか結合部分があり、縮毛矯正ではこの結合を切り離してから思い通りの髪の形になるように再結合します。
縮毛矯正で使われる薬剤には1剤と2剤の2つがありますが、基本的には1剤で結合部分を切り離し、2剤で再結合させていると覚えておきましょう。
くせ毛というのはこの結合部分が根本的に曲がった状態になった髪の毛なので、縮毛矯正でその結合部分を真っすぐにすることでくせ毛を直せるのです。
髪の毛の作りを内部から根本的に変えるため、長続きしやすく綺麗で真っすぐな髪に仕上げることができるのです。

縮毛矯正とストレートパーマの違い

縮毛矯正もストレートパーマも使用する薬剤は基本的に変わりません。パーマも縮毛矯正と同じように髪の毛の結合部分を切り離して再結合させることで髪を変化させています。
この2つにはいくつか違いがありますが、大きな違いとしては高熱のヘアアイロンを使うかどうかです。
縮毛矯正では1剤で髪の毛を切り離した後に、高熱のヘアアイロンを使って髪を伸ばします。
対してストレートパーマではアイロンを使うことはほとんどなく、くしだけで髪の毛を伸ばします。
ストレートパーマよりも縮毛矯正の方が効果が長続きしやすいと言われているのはこのヘアアイロンの効果がくせ毛の修復に一役買っているからです。
くせが強い人は縮毛矯正、くせが弱い人はストレートパーマと言う風に区別する人もいますが、髪質は人によって異なっているのでくせの強い弱いだけではやり方を変えません。
必ず美容師さんに髪を見てもらいつつ相談して決めるようにしましょう。

縮毛矯正がはげる直接的な要因ではない

縮毛矯正とストレートパーマの違いも分かってもらえたかと思いますが、それではここからは縮毛矯正の何が問題ではげるのかをご説明いたします。
そもそも本当に縮毛矯正ではげるのかと疑問を抱いている人も多いと思いますが、実際にはげたという人が少なからずいるので絶対にはげないとは言えません。
しかしもし縮毛矯正がはげの直接的な要因となっているのであれば、とっくの昔に縮毛矯正だけでなくパーマも利用できないように規制されているはずです。
なので正しくは縮毛矯正によってはげる可能性が存在しているということになります。
これは縮毛矯正の仕組みを考えれば当然です。
1剤で髪の毛の結合部分を切り離しているわけですから、この時に髪の毛に何のダメージも無いとは口が裂けても言えません。
髪の毛も血液から栄養を受け取って伸びる生き物みたいなものですから、傷が増えればその分寿命も早まります。
縮毛矯正ではげると考えてる人はこのダメージが蓄積されるほど短いスパンで行っている人か、もしくは縮毛矯正後に水やシャンプーなどで髪の毛に刺激を与えた人のどちらかです。
縮毛矯正後の髪の毛はまだキューティクルが開いている状態なので、ドライヤーの熱の刺激1つを取っても、抜け毛や切れ毛が増える原因になります。
縮毛矯正がはげの直接的な要因にならないとは言っても、間接的な要因になることは十分に考えられるというわけです。

縮毛矯正には失敗例も多数ある

縮毛矯正にはいくつかの失敗例が存在しています。
例えば予想以上にストレートになり過ぎて髪の毛のボリュームが少なく感じる場合もあれば、全くかかっていなくて数日後にはくせが戻っている場合もあります。
縮毛矯正の失敗例で1番恐ろしいのは、髪の毛のダメージが残ってジリジリになる場合です。
美容師の方の中にはこれをビビり毛と呼ぶ人もいますが、この状態は髪の毛がすでに死んでいるという状態に近いので、修復が困難とも言われています。
縮毛矯正をしたのに余計に酷い髪の毛になったという失敗だけはしたくないですよね。
なのでここからはどうすれば縮毛矯正で失敗せずに済むか、その対策をご紹介します。

失敗しないための対策法

縮毛矯正にはいくつかの失敗例があると説明しましたが、その失敗の原因は果たしてどこにあるのでしょうか。
これは多くの場合、美容師に原因があります。
縮毛矯正というのは非常にデリケートで難しい施術です。
髪の毛に与えるダメージが大きいので、縮毛矯正を受ける人の髪質や現在ダメージを受けているかどうかのチェックをしっかりと行う必要があるのです。
しかし縮毛矯正自体あまりやったことがないという美容師さんも多いため、この髪質やダメージの蓄積度合いの違いを見抜けず、マニュアル通りにしかできず失敗することがあります。
なので失敗しない様にするための1番の対策は美容師選びをきちんとすることです。

美容院と美容師さん選び

では具体的に縮毛矯正を受ける美容院と美容師を選ぶためのコツをご説明します。
美容師選びとしては当然経験がある方になりますが、ひとまずの目安として美容師歴が10年以上ある方を探しましょう。縮毛矯正の経験のあるなしに関してはお店のホームページにあるスタッフブログなどをチェックすることをお勧めします。
美容師さえ良ければ美容院はどこでも良いのではと思うかもしれませんが、美容院のシステムをちゃんと調べておくことも重要です。
例えば縮毛矯正にかかる値段が極端に低いと質の悪いパーマ液を使っていたり、美容師の技術力が乏しかったりする可能性が高まります。
相場としては6,000円~2万円と幅があるので、少なくとも初めは1万円以上の美容院で受けた方が良いでしょう。
それから少人数の美容院がお勧めです。
スタッフが多い美容院だと縮毛矯正をしている間に2人3人くらいと交代交代で経過を見ることもあり得ます。
縮毛矯正では施術を受ける人の髪質をしっかり理解する必要があるので、付きっきりで施術してもらった方が失敗しにくいですよ。

自分のしたい髪型をしっかり伝える

思ったようなストレートにならない、イメージと違うと言った失敗をしないためには、必ず自分のしたい髪形をしっかりと伝える必要があります。
「パーマと言ったらこういう髪型だろう」という認識を持っている人もいるかもしれませんが、その認識が誰にでも通用するとは思わないでください。
1番良いのは自分の理想の髪形を画像として保存しておいて美容師さんに見せることです。
この時にそれが可能かどうかをしっかりと聞くようにしましょう。
髪質や髪の長さによってはすぐにはその髪形にできないと断られることもあります。
しかしできるできないをしっかりと判断できる美容師さんはそれだけ知識と経験がある人なので、断られてもその美容師さんがダメと切り捨てないようにしましょう。

部分的な縮毛矯正も可能

縮毛矯正と言うとくせ毛を根本的に、しかも全部直すように聞こえますが、部分的に矯正することももちろんできます。
1番多いのは前髪だけの部分矯正です。
前髪は髪の毛の中でも特にくせが出やすい部分ですので、そこだけ真っすぐにしたいと言う人も多いでしょう。
これから縮毛矯正でくせ毛を直そうと考えている人はひとまず前髪だけ試してみて、その美容師さんの腕や自分の髪質を見極めることをお勧めしますよ。

セルフで縮毛矯正は危険がいっぱい

縮毛矯正は美容師の方の中でも経験や技術力に差が出やすい施術ですので、当然ですが素人が見様見真似でできるような簡単なことではありません。
しかしながら現在、一般の方でも縮毛矯正ができるように専用の矯正剤が市販されています。
ここからはその市販されている矯正剤を使った、セルフでの縮毛矯正の危険性についてご説明いたします。

縮毛矯正はプロでも難易度の高い施術

すでに美容師や美容院選びのところでも触れたように、縮毛矯正はプロの方でも難しい施術の1つです。
矯正を受ける人の髪質、髪の長さ、髪へのダメージをよく調べて見極めた上で、それらに合った1剤と2剤を組み合わせて初めて縮毛矯正は成功します。
縮毛矯正が成功するかどうかは美容師の腕の良し悪しで決まると言っても過言ではないです。
プロの方でも難しいのに、自分の頭を上から見られないというハンデを背負った素人が上手くできることはまずあり得ません。
時間が無いからという理由だけでセルフ矯正を行うのは非常に危険です。
髪の毛へのダメージが一生残り続ける危険性をしっかりと覚えておいてください。

市販の縮毛矯正剤はかなり強め?

市販で売られている風邪やのどの痛みに効く薬は、普通病院などで処方される物よりも弱く作られています。
これは様々な症状に対してもある程度の効果を期待できるようにしているためです。
風邪と言っても原因は非常に多岐に渡りますから。
しかし縮毛矯正剤に関しては逆に誰が使っても効果が出るように、美容師さんたちが使う物よりも強力に作られています。
髪の毛を切り離して再結合するための薬剤が強力ということは、そのまま髪へのダメージも強力ということになります。
それどころか矯正剤に含まれる成分は頭皮にまで影響を与えます。
この強さの程度がかなり問題になっていて、海外では訴訟にまで発展した事例もあります。

頭皮の炎症や水ぶくれといった症例も

訴訟を起こした海外の事例では、脱毛や切れ毛だけでなく頭皮の炎症や水ぶくれ、さらには火傷などの症状が出たと訴えています。
この訴えには10万人もの人が集まっていたので、その矯正剤がどれだけ強力だったかがよく分かりますね。
髪の毛に限らず頭皮にまで悪影響を及ぼすほど、市販の矯正剤は強力なのです。
基本的にはプロの任せるべきですが、どうしてもセルフでやる場合には細心の注意が必要であることをよく覚えておきましょう。

縮毛矯正ははげるのか

縮毛矯正は結局はげるのかと聞かれたら、答えはイエスとなります。
しかしそれはあくまでも縮毛矯正を正しく理解していない場合、縮毛矯正を行った美容師の技術力が足りていなかった場合という条件が加わります。
縮毛矯正をしたから必ずはげるというのは間違いです。
これまでに何年も縮毛矯正をし続けてきたけどはげていないと言う人も中にはいますので、いかに正しい方法で施術できているかがカギを握っています。
これから縮毛矯正を考えている人は美容院と美容師選びをしっかりと行うようにしてください。
Hidada
久田 篤
発毛診断士

プロフィール

日本臨床医学発毛協会認定の発毛診断士。自身も薄毛で悩んだ経験から育毛業界に参入、育毛剤やシャンプーの研究開発に携わる。また、育毛開発プロデューサーとして薄毛に悩む顧客に対し、多くの発毛成果を上げ様々なニュースサイトで取り上げられる。美容室コンサルタント、育毛コンサルタントという顔もあり、過去の発毛実績を基に『最後に読む育毛の本』を出版。久田篤のブログ:髪フサフサ.com(http://husa-husa1ban.com/