髪の毛保護のために使用するヘルメットは、かぶり方次第で薄毛の原因にもなってしまう

土木作業や建築作業、ロードバイクやオートバイクの運転の際に着用することで身の安全を守ってくれるヘルメットですが、かぶり方次第では薄毛の原因になってしまうことをご存知でしょうか。ただ、ヘルメットは頭部衝撃や髪の毛保護の役割を持っているため、作業中や運転中には脱ぐことを許されません。そのため、薄毛にならないヘルメットのかぶり方や、かぶった後のケアを身に着けておく必要があるのです。

Hidada
久田 篤 監修
発毛診断士

目次

  1. 01なぜヘルメットが薄毛の原因になってしまうのか
  2. 02ヘルメットによって薄毛になりやすい人の特徴
  3. 03薄毛にならないための対策とは
  4. 04ヘルメットをかぶった後のケアが一番大切
  5. 05まとめ

なぜヘルメットが薄毛の原因になってしまうのか

ヘルメットが薄毛の原因になると一言でいっても、どのような理由でヘルメットが薄毛の原因になってしまうのかわからないという方も多いでしょう。
ヘルメットを着用することで考えられる薄毛の原因は「頭部圧迫による血行不良」、「ヘルメット内部の悪環境」の2つがあります。

頭部圧迫による血行不良

サイズの小さいヘルメットや、必要以上にきつく締めていることで頭部が圧迫されてしまい、そのことによって血行不良を招くことが薄毛の原因に繋がります。血液の中には栄養素も運搬されており、血管内から各器官へと髪に必要な栄養を送り届ける役割を持っているため、血行不良になると髪の毛を成長させるために必要な栄養素が供給しづらくなってしまうのです。
栄養を上手く受け取れずに血の巡りが悪い状態が続くと、髪の毛は栄養不足状態になるので段々と痩せ細ってしまいます。
痩せ細った髪の毛は本来持つ髪の毛の成長周期を送ることができずに抜け落ちてしまいますし、少しの衝撃でも抜けやすくなるので、たかがヘルメットのサイズや締め付けくらい気にする必要は無いと油断していてはいけないということがわかるでしょう。

ヘルメット内が蒸れて細菌の繁殖の場に

ヘルメット自体通気性が悪く、それに加えて身体を動かして作業を行いますので、身体から熱を発し、ヘルメット内部が蒸れやすい状態になります。頭皮には常に菌が棲みついており、普段は特に悪い影響はありませんが、増殖しすぎてしまうと炎症を引き起こしてしまうため適度なバランスが必要です。
しかし、ヘルメット内の蒸れやすい環境というのはこの頭皮にいる菌だけでなく、ヘルメット内に付着したその他の細菌も殖えやすく、その状態が続くことで脂漏性皮膚炎や脂漏性脱毛症といった薄毛を招いてしまう炎症の原因になってしまいます。ヘルメットをかぶることが日常になっている人は、特に細菌が繁殖しやすい環境であるということを理解しておかなくてはいけません。
また、ヘルメットは使い終わったらそのまま放置している人が多く、不衛生なままのヘルメットを使い続けるということも、薄毛になりやすい頭皮環境を育てていると言っても言い過ぎではないでしょう。

ヘルメットによって薄毛になりやすい人の特徴

ヘルメットが薄毛の原因になる可能性があることは十分に理解していただけたかと思います。
ヘルメットは身の安全を守ってくれるアイテムというだけではなく、薄毛になりやすい環境を作ってしまうというデメリットの部分も覚えておかなくてはいけません。
また、ヘルメットによって薄毛になりやすい人は、ある特徴を持っています。

ヘルメットをかぶりながら作業をする職業

ヘルメットをかぶる機会があればあるだけ、薄毛になりやすいリスクと向き合わなくてはなりません。そのため、土木作業や建築作業を生業としている方、ロードバイクやオートバイのレーサー等、ヘルメットをかぶることが前提となっている職業は薄毛になりやすいです。
特にヘルメットをかぶりながら頻繁に動くことが強いられる場合、ヘルメット内で汗もかきやすく蒸れやすい、ヘルメットと頭部で摩擦や衝撃が起こることによって髪の毛が抜けやすいという点も薄毛を引き起こしやすい特徴と言えるでしょう。だからといってヘルメットを外して作業をするのはとても危険なので、違うところで薄毛にならないように工夫とケアをしていかなくてはなりません。

着用後に洗髪をしない

作業が終わると身体は疲れていますので、自宅に帰るとついつい眠ってしまいがちです。
しかし、ヘルメット内部で汗をかき蒸れていた状態のままの頭部を清潔にすることなく睡眠を取ってしまうと、汗や皮脂、汚れが付着している状態で長時間いることになるため、頭皮にいる細菌が繁殖しやすい環境を提供していることになります。
特に仕事が終わって自宅に帰ってくると疲れがドッと出てしまい、入浴は起床後でいいやと後回しにしがちですが、そうなると薄毛へと一歩近づいている行動を取っているのと同じだと捉えて良いでしょう。
ヘルメットを着用している時のみ対策をすれば良いというわけではなく、着用し終わった後は必ず洗髪をして頭皮を清潔な状態へとケアすることが非常に大切になります。

薄毛にならないための対策とは

仕事上、ヘルメットを着用しないという選択肢はないため、薄毛にならないようにする対策は無いのではないだろうかと不安に感じてしまう人も少なくないでしょう。
しかし、きちんとした対策を取っていくことで薄毛になりやすい環境を改善に近づけることは十分に可能です。そのやり方を紹介していきますので、しっかりと把握して実践していきましょう。

ヘルメット内部は清潔に保つ

まず一番見落としがちな対策として、ヘルメット内部を清潔に保つということがあげられます。ヘルメット内部というのは頭部と同様に蒸れている状態が続きますので、細菌が繁殖しやすい状態になっています。
そのため、いくら頭部を清潔に保っていたとしても、ヘルメットが不衛生であるならば着用したときに密着してしまいますので意味がありません。可能であればヘルメットは毎日洗うことをおすすめします。
ヘルメットの内部にあるヘッドギアやベルトを取り外し、大きめのたらいやバケツに洗剤を入れて洗うことで、隅々まで除菌をすることができて清潔です。週に1回程洗剤と一緒に漂白剤を入れて洗うのも除菌効果が高まりますのでおすすめです。
分解することができなくても、そのまま丸洗いすることでも効果は期待できますので、そのまま洗っても良いでしょう。
時間がない場合やヘルメットの持ち帰りが許されていない場合は洗うことができませんので、それ以外の方法で対策をしなくてはいけません。その場合は除菌スプレーや消臭スプレーを用いて、ヘルメット内部に吹きかけるだけでも違います。
スプレーもする時間が取れないということであれば、天日干しをしてヘルメット内を日光に当てておくだけでも良いでしょう。

ヘルメットを使ったら頭皮も清潔に

ヘルメットを使った後は、ヘルメットだけではなく頭皮も清潔にすることを心がけましょう。
ヘルメットを着用した後というのは短い時間ではない限り、汗をかき皮脂や汚れが頭皮に付着しています。この状態のままでいるのは頭皮にいる細菌に増えてくださいと言っているようなものなので、必ずシャンプーで洗い落としてください。
先ほども説明しましたが、作業が終わってそのまま寝てしまうと頭皮環境の悪化に繋がりますので、必ずその日の内に入浴するようにしましょう。汗や皮脂汚れを洗い落とすためには洗浄力の強いシャンプーが良いと思われがちですが、これは大きな間違いです。
洗浄力の強いシャンプーは確かに汚れを洗い落とすには向いていますが、必要以上の皮脂を洗い落とし、頭皮の乾燥を引き起こしやすくしてしまいます。頭皮の乾燥は皮脂の分泌を促進しやすくしてしまうため、洗浄力の強いシャンプーではなくアミノ酸系シャンプー等の頭皮に優しいシャンプーを使うのがおすすめです。

換気時間を設ける

作業をしている最中には常にかぶりっぱなしということではなく、休憩時間やちょっとした隙間時間にヘルメットを脱いで換気する時間を設けましょう。ヘルメットは通気性が悪く蒸れやすい構造になっているため、頭皮とヘルメット内部の換気を自らすすんで行わなくてはいけません。
また、換気をしている最中にタオルで汗を拭ってあげることでも蒸れを作らないようにする対策の一つとして抑えておくと良いでしょう。
ただ、注意してほしいのが身の危険のある作業をしている途中にヘルメットを脱いでしまうのは危ないですし、周りの注意も引いてしまい迷惑になってしまいます。休憩時間以外でヘルメットの換気をする場合は、必ず身の安全が確保できている場所で行うようにしてください。

ヘルメットサイズの見直し

ヘルメットのサイズが小さいと頭部を圧迫してしまい、血行不良の原因になってしまいます。
また、自分に合ったサイズを着用することで作業の効率化をはかることもできますので、ヘルメットのサイズが小さいと感じているならば大きいサイズを着用するようにしましょう。
サイズがぴったりだとしても締め付けすぎてしまうと小さいサイズの着用と同様に頭部を圧迫してしまいます。自分の頭部のサイズに合わせたヘルメットと、適度な締めつけをキープするようにしてください。

タオルを巻いて吸水性を高める

ヘルメット内部の蒸れを防ぐために活用できるアイテムとして、吸水性の高いタオルを頭部に巻くという方法があります。
頭部にタオルを巻くと熱がこもりやすくなるというデメリットはありますが、汗を吸い取ってくれるので、蒸れを防いでくれる効果も期待できます。
最近ではヘルメット内に着用するインナーキャップが販売されており、タオルよりも通気性が良く、汗を吸収して速乾性もあるという蒸れ対策にはうってつけの商品です。
タオルを巻いて蒸れを防ぐのも良いですが、タオルを巻くのが禁止されている、あるいは熱くなりすぎて苦手だという人は、インナーキャップを活用してヘルメット内部の蒸れの悪化を防ぎましょう。

ヘルメットをかぶった後のケアが一番大切

ヘルメットをかぶる際に気をつけることもありますが、薄毛を進行させないためにはヘルメットをかぶった後のケアが一番大切です。しっかりとケアをしているかそうでないかでは、5年後10年後に頭皮に残っている髪の毛の量に違いが出てくるでしょう。
では、具体的な頭皮のケア方法を解説していきます。

頭皮マッサージも効果的

サイズが小さいヘルメットや締めつけすぎだけでなく、ヘルメットをかぶることによって少なくとも頭部は圧迫されてしまいます。そうすると、頭部は血行不良になりやすくなってしまいますので頭皮マッサージを行って血の巡りを良くしてあげましょう。
頭皮マッサージを行う場合、爪を立てて行うと頭皮に傷をつけてしまう恐れがあり、そこから感染症や抜け毛が増してしまうこともありますので、決して爪は立てずに指の腹を使って円を描くようにマッサージをしてください。
マッサージをするときも血の巡りが良くなりそうだからとあまり強い力で行っても、場合によっては血管や細胞にダメージを与えて逆効果になることもあります。少し物足りないくらいの力で揉みこむマッサージをしていきましょう。

栄養補給で髪の毛の成長をサポート

肉体労働をしていると身体が疲れてしまうので栄養補給が重要になります。これは髪の毛の成長にも同じことが言え、頭皮環境を良くするために、あるいは髪の毛の健康を保つためには栄養の摂取が必要です。
特に皮脂の分泌をコントロールして、菌の繁殖を抑えるビタミンB群の摂取は積極的に行ったほうが良いでしょう。ビタミンB群は豚肉やナッツ類、魚に多く含まれていますので、頭皮環境を整えるために考えた食事をとりましょう。
ただし、栄養に偏りがでてしまうのは身体にとっても髪の毛にとっても良くありません。ビタミンB群を中心にしながらビタミンCやビタミンE等のビタミン類、亜鉛やヨード等のミネラル類をバランス良く摂取するようにしてください。

質の良い睡眠も重要

身体が疲れていると免疫力も低下してしまい、菌に対する抵抗力も弱まってしまいます。
睡眠は身体の疲れを取るためには欠かせないもので、髪の毛の健康や成長にとっても例外ではありません。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、髪の毛や肌の健康を保つために働いてくれるホルモンです。
寝る前にスマホやPCを見てしまうと、脳に刺激を与えて眠りの質を下げてしまいますし、寝る前の食事も消化器官に負担をかけてしまいます。これらの行動は寝る直前には避け、就寝1時間前にはスマホやPCは触らず電気を消してリラックスできる状態で過ごしましょう。
また、食事は就寝3時間前には終わるようにして、内臓に負担をかけないよう休ませてあげるようにしてください。
質の良い睡眠を取ることができれば、日頃の疲れを取り除くことができ、髪の毛の健康を保つことも期待ができます。忙しいから、あるいは寝る前に娯楽を楽しみたいという気持ちはわかりますが、寝る時間は削らずにしっかりと6時間以上は睡眠を取るようにしましょう。

まとめ

ヘルメットを着用するときにできる対策、着用後に行うケアをしっかりとすることができれば、ヘルメットをかぶることが日常の業務に従事していても薄毛になりにくい生活が送れるようになるでしょう。
着用するときの対策は気をつけていても、着用後というのは気が抜けてしまい頭皮のケアを怠りがちです。薄毛になりにくい行動を心がけて、いつまでもフサフサな頭皮を保つようにしましょう。
Hidada
久田 篤
発毛診断士

プロフィール

日本臨床医学発毛協会認定の発毛診断士。自身も薄毛で悩んだ経験から育毛業界に参入、育毛剤やシャンプーの研究開発に携わる。また、育毛開発プロデューサーとして薄毛に悩む顧客に対し、多くの発毛成果を上げ様々なニュースサイトで取り上げられる。美容室コンサルタント、育毛コンサルタントという顔もあり、過去の発毛実績を基に『最後に読む育毛の本』を出版。久田篤のブログ:髪フサフサ.com(http://husa-husa1ban.com/