【自分に合ったシャンプーで髪質を守る】髪質に合わせたシャンプーの選び方と正しい使い方

現代ではいろいろなシャンプーが出ています。髪に求めるものが人によって違ってくるためです。髪の毛を丈夫にしたい人もいれば、髪を柔らかくしたい人、抜け毛や薄毛を防ぎたい人などさまざまな悩みを抱えています。そのような数多く存在するシャンプーの中で、自分に合ったものを選択するためにも正しい知識とシャンプーに入っている成分などを把握することが重要なのです。
自分の髪質を見極めて効果の高いヘアケアを実践しましょう。

Hidada
久田 篤 監修
発毛診断士

目次

  1. 01髪の毛の構造
  2. 02シャンプーで髪質ケアはできる!?
  3. 03まとめ

髪の毛の構造

髪に合ったシャンプーを選ぶためにもまずは髪の構造を把握することが大切です。髪の断面図を見ると三つの層に分かれています。
一番外側の層は、「キューティクル」と呼ばれています。この単語になじみのある方も多いかと思います。美容室でよくキューティクルがないと聞く方もいるでしょう。このキューティクルというのは、髪の表面を魚のうろこのように何枚も重なっています。

日本人の平均は、大体5~6枚重なっていると言われています。この重なり具合が、手で触った時の感触や指通りなどに影響してくるのです。きれいに重なっていれば問題ありませんが、ダメージなど外部の刺激によって剥がれ落ちてくると髪がごわついたりします。

キューティクルの次にある層は、「コルテックス」と呼ばれる層です。コルテックスは、髪の構成する中で最も多くを占めており、重要な部位となっています。髪に影響するのは、太さや色などと言われており、主要成分はタンパク質になります。コルテックスにダメージが出ると髪のツヤや潤いに影響が出てきます。そのためコルテックスは髪をきれいに見せるうえで重要な部分なのです。

髪の最後の層にあるのは、「メデュラ」と呼ばれる部分です。メデュラは髪の芯になる部分であり、髪の太さに影響がある部分と言われています。しかし、キューティクルやコルテックスと違いまだ謎に包まれている部分が多く解明されていないのが現状です。

髪は、「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」の三つによって構成されており、シャンプーやドライヤー、日常生活のケアはこれらを意識した上でサポートしていかなくてはなりません。しかし、人によって髪の層にも違いがあります。キューティクルの層が厚かったり、コルテックスの部分が細かったりなど個人差があるのです。

なぜ髪質に個人差があるのか

髪の構造を理解したうえで、髪の個人差があるのは先天的な理由が影響しています。髪が細い人が親であればその子供にも影響が出てきます。年齢によって髪質が変化することはありますが、大きく変えることはできません。また、髪は日々の生活スタイルやメンタル、ヘアケアの影響を受けています。人によって方法が違うため髪質に個人差が出るのです。
また髪は、人種によっても違ってきます。基本的に日本人の髪質というのは、欧米人に比べると硬いと言われています。

シャンプーの役割

髪のケアの中でシャンプーの役割は、キューティクルをサポートすることです。最近のヘアケア用品には、髪質をよくするための成分が多く含まれていることがあります。その成分というのがシリコーンです。
一般的には、「シリコン」と呼ばれていますが、正式には「シリコーン」と表記します。シリコーンは、酸素とケイ素などから生成された有機化合物であり、熱や光に強く柔軟性があるためさまざまな商品に応用が利く素材となっています。

シャンプーやコンディショナーなどに使われるシリコーンは、髪をなめらかにして指通りを良くしてコーティングしてくれます。この成分は、摩擦に弱いキューティクルを守ることができると言われています。またダメージのある髪をケアしてくれるシャンプーとしてシリコーンを含んだものは有用と言えるでしょう。

ここで気をつけなければならないのが、シリコーンに対する正しい知識です。シリコーンが毛穴に詰まったり、頭皮にダメージを与えたりということはありませんので、間違った情報や知識を入れないようにしましょう。シリコーンは、頭皮や毛髪にかける負担はなく、かゆみや抜け毛の原因にはなりません。

シャンプーの選び方

シャンプーの選び方は、人によって違います。なぜなら髪質が人によって違うからです。しかし、シャンプー選びの基本として、頭皮や髪に刺激が少ないものを選ぶといいでしょう。刺激が強いシャンプーだと頭皮の働きにまで影響が出てしまうこともあります。頭皮は非常にデリケートな部分で、髪の土台となる部分です。そのためシャンプーは刺激が少ないものが良いのです。

硬い髪質に合うシャンプー

硬い髪質の方は、剛毛で思ったようにヘアスタイルが決まらない、もっと髪を柔らかくしたいと悩んでいる方がいます。硬い髪質を持った方は、髪の構造であるキューティクルの層が厚いケースがあります。例えば一般的な髪の柔らかさを持つ人のキューティクルが3~4枚程度の層だとすると、剛毛の人は、5枚以上になっています。
しかし、キューティクルの層が厚いからと言って悪いことではありません。それだけしっかりと髪を守ってくれるということなのです。

髪を柔らかくする成分としてあげられるのはセラミドです。セラミドは、髪に潤いとなめらかさを閉じ込めるはたらきがあります。次に重要なのは、ナチュラル・モイスチュアライジング・ファクター(通称NMF)です。このNMFは、水分を髪にとどめておくことが可能な成分なのです。元々髪や肌に含まれている成分ですが、人によって含まれている量が違います。また髪や肌へのダメージによって失われる成分でもあるので、コラーゲンやヒアルロン酸などのケア用品でNMFをサポートしましょう。

柔らかい髪質に合うシャンプー

髪質が柔らかい人は、ボリュームが少ない、薄毛になるかもしれないと考えています。これらの原因の多くは、毛穴のつまりや元々の髪質、年齢による髪質の変化などです。
髪の構造は、硬い髪質の人よりキューティクルの層が薄いのです。そこで柔らかい髪質の人は、キューティクルの働きをサポートする植物油(オリーブ油や植物オイルなど)シリコーンなどを含んだシャンプーを使うと効果が期待できます。もちろん髪を構成するタンパク質に作用するアミノ酸も忘れないようにしましょう。

正しいシャンプーの仕方

自分の髪質に合ったシャンプーを選んでも正しいやり方を知らなければ効果は薄いです。まずはシャンプー前にブラッシングをしましょう。髪についた汚れやほこり、髪の絡まりなどをほどきます。
その後は、ぬるま湯で髪全体を濡らしましょう。この際、頭皮までしっかりと水分が届くように優しく濡らします。シャンプーは手のひらに適量を取ってしっかりと泡立ててから髪と頭皮に付けます。

肌に刺激を与えないように優しくマッサージするようにつけることがポイントです。指の腹を使うようにするとやりやすいでしょう。すすぎは、しっかりとついたシャンプーを落とします。耳の後ろや生え際など残りやすいところを中心にすすぎましょう。

色々な種類のシャンプーを見てみよう~番外編

覚えておきたいシャンプーとして、種類が3つに分けられます。一つはアルコールを使用したシャンプーで、市販されている安価なものにアルコールが入ったタイプが増えています。これらのアルコールが入ったシャンプーは洗浄力が強いものが多いため、髪への刺激を抑えたい場合は避けるのも一つの方法です。

二つ目は、石けん系のシャンプーです。石けん系は、アルカリ性のものが多いため髪のキューティクルに影響があります。髪がゴワゴワしてしまう可能性があるのであまり適正とは言えないでしょう。

三つ目は、アミノ酸を含んだシャンプーです。アミノ酸を含んだシャンプーは美容室で使っているところも多いようです。アミノ酸は、肌と髪に優しく保湿力も高めと、ヘアケアをサポートするなら有用なシャンプーと言えます。髪と同じ成分なので、低刺激ですが洗浄力は低めです。

シャンプー診断ってどんなもの?

現代ではさまざまな成分が入ったシャンプーがあります。自分に合ったシャンプーを選ぶことも簡単なことではありません。今であれば、インターネットで自分に合ったシャンプーを診断してくれるサイトもあります。しかし、自分で診断することも可能です。

自分に合ったシャンプーを診断するためにもまずは自分の頭皮の状態を知りましょう。人の頭皮は大きく分けて、3つあります。
一つは、シャンプーやリンスをつけても何日かは脂っぽくならず髪がゴワゴワしない「普通タイプ」、2つ目は、シャンプーをしても次の灯には脂っぽくなって髪がべたつく「オイリータイプ」、3つ目は、髪がカサついてフケが大量に出る「ドライタイプ」です。この3つを理解し、自分の頭皮がどの状態に近いか診断することが可能です。

シャンプーで髪質ケアはできる!?

髪質は遺伝的なものがあるので大きく変えることはできません。しかし、年齢による髪質の変化や、ストレス、生活習慣の乱れによる髪質の変化などは見直すことができます。

ヘアケアの一つとして、シャンプーによる髪質ケアは可能です。シャンプーによるヘアケアで重要なのは、自分の髪質に合ったシャンプーを選ぶ、シャンプーの前にしっかりと水分を含ませてから洗う、シャンプーはマッサージするように行うことです。この際に頭皮を傷つけないように優しくマッサージすることがポイントです。

シャンプーを使う際の注意点

シャンプーにはさまざまな種類があります。人によって髪質も違うので、自分に合ったものを選ぶことが頭皮環境を整えることにつながります。しかし、シャンプーによって注意点がありますので正しく理解しましょう。例えば、無添加やオーガニック系のシャンプーを使う場合です。このシャンプーは、余計な成分が入っていないため、刺激が少なく肌や髪に優しい成分ですが防腐剤が少ない、もしくは入っていないので消費期限に注意しましょう。

石けんタイプのシャンプーは、弱アルカリ性で洗浄力が高いのが特徴です。頭皮が脂っぽい方に適しています。乾燥しやすかったりアトピー肌だったりする方は、皮脂が少ないので石けんの洗浄力で皮脂を落としすぎてしまう場合があります。そういった方は、別のシャンプーにしましょう。

髪質を丈夫にするシャンプー

髪質を丈夫にしたいと考えている方の多くは、髪が細かったり抜け毛で悩んだりしている方です。髪質を丈夫にするためには、「食事」「睡眠時間」「ヘアケア」が大切です。食事や睡眠は、毎日の生活習慣を見直して、頭皮環境を整えることで変わってきます。ヘアケアに関しては、今使用しているシャンプーを変えてみることです。

髪を丈夫にしたいと考えている方は、使用しているシャンプーの洗剤力が強すぎることが原因です。洗浄力が強いと髪を傷めてしまい、キューティクルにダメージを与えてしまうのです。これを防ぐためにも洗浄力が強くないものを選び、頭皮の健康をサポートするアミノ酸が入ったシャンプーを使うと効果が期待できます。

成分で見る髪質を柔らかくするシャンプー

自分の髪質に合ったシャンプーを選ぶことが前提ですが、頭皮の状況にも注目するようにしましょう。頭皮もまた人によって違います。皮脂が多い頭皮、皮脂が少なくて乾燥しがちな頭皮などです。誤ったシャンプーを使っていると効果が得られないだけでなく悪化してしまうこともあると言われています。剛毛や髪が硬い人の多くは、髪を保護するキューティクルの層が厚いと言われています。

キューティクルは、魚のうろこのようなものが重なっているため、毛髪から生えているわけではなく接着しているのです。このキューティクルを一枚一枚接着しているのが、細胞膜複合体(cell membrane complex)通称「CMS」と呼ばれるものです。これが毛髪のツヤや柔軟性に影響しており、機械の歯車にオイルを差すイメージです。

CMSは、脂質成分で構成されているので補強できる成分を使って、キューティクルの柔軟性をサポートしましょう。類似した成分として、オレイン酸やパルミチン酸があります。これらはツバキ油やオリーブオイルなどに含まれています。このような成分が含まれたシャンプーを使うことで髪質の柔らかさをサポートしてくれます。

まとめ

髪質や頭皮などは人によって違います。「皆が使っている」、「このシャンプーがおすすめ」で選んでしまうと、効果が見込めず状況が悪化してしまうこともあります。
髪を健康的で丈夫に保つためにも、自分の髪や頭皮状況をしっかりと理解しましょう。その上で、正しいシャンプーのやり方を実践し、ドライヤーでしっかりと髪を乾かすことが効果の高いヘアケアに繋がるのです。
Hidada
久田 篤
発毛診断士

プロフィール

日本臨床医学発毛協会認定の発毛診断士。自身も薄毛で悩んだ経験から育毛業界に参入、育毛剤やシャンプーの研究開発に携わる。また、育毛開発プロデューサーとして薄毛に悩む顧客に対し、多くの発毛成果を上げ様々なニュースサイトで取り上げられる。美容室コンサルタント、育毛コンサルタントという顔もあり、過去の発毛実績を基に『最後に読む育毛の本』を出版。久田篤のブログ:髪フサフサ.com(http://husa-husa1ban.com/