【髪を早く伸ばしたい人が気をつけるべきこと】中途半端な長さでの髪型やスタイリングについて

髪を切り過ぎてしまった、セルフカットに失敗した、今の髪型が似合わない、新しいヘアスタイルに挑戦したい、成人式や結婚式までに髪を長くしたい、など様々な理由で、髪を少しでも早く伸ばしたいという方も多いのではないでしょうか?髪をゴムで縛ったほうがいいなどの都市伝説のような方法はよく聞くことがあるかもしれませんが、実際にはどうすれば髪は早く伸びるのでしょうか?
今回はその髪が早く伸びるメカニズムから具体的な方法、さらに伸ばしていく途中で気を付けたいことや、中途半端な長さでのスタイリングの仕方まで解説していきます。

Hidada
久田 篤 監修
発毛診断士

目次

  1. 01髪が伸びる仕組みとは
  2. 02「少しでも早く髪を早く伸ばしたい」と考えている方へ
  3. 03髪を伸ばしている途中の悩み、その対処法は
  4. 04中途半端な長さの髪でのスタイリング方法とセットしやすい髪型
  5. 05まとめ

髪が伸びる仕組みとは

まずは、髪が伸びる仕組みについて解説していきます。髪はどのようにして伸びているのでしょうか?
髪をしっかりと成長させるために、どうやって髪が伸びているのかを理解した上で、髪を育てる方法を考えていきましょう。

髪の成分や構造 

髪の99%は、18種類のアミノ酸が結合してつくられた”ケラチン”というたんぱく質でできています。
また、髪の構造としては頭皮から外へ出ている部分のことを毛幹といい、頭皮の中にある部分を毛根部といいます。この毛幹部分は細胞としては死んでいる組織で一度傷つくと元に戻ることはありません。
さらに毛幹部分はのり巻きや鉛筆のように3層構造に分かれており、一番外側の部分が髪に艶や滑らかさを与える毛小皮(キューティクル)、次に髪の弾力性や髪の色を決める毛皮質、中心に保湿に関係する毛髄質があります。

髪が伸びるメカニズム

では、髪はどのようにして伸びるのでしょうか?
先ほどの項にも書いていますが、髪の頭皮に出ている部分の毛幹は死んだ細胞で角質化しています。つまり髪が伸びる際に毛先や毛幹が伸びていると勘違いする方もいらっしゃるかもしれませんが、髪の毛の中で唯一の生きている細胞は毛根であり、髪が伸びる際に働いているのは毛根部分なのです。
毛根には髪の毛を作り出している毛包という組織があります。この組織の下のほうにある毛乳頭が毛細血管を通って運ばれてきた栄養を髪を作る基となる毛母細胞に与え、毛母細胞が細胞分裂を繰り返し、増殖することによって髪を上へ押し上げて毛幹を作っていく、髪が伸びていくということになります。

髪が伸びるスピード

髪はどのぐらいの速さで伸びていくのでしょうか?
髪の毛は人の体の中でも特に成長が早く、一日に約0.3mm程伸びるとされています。一本でみるとわずかな成長のようですが人の髪は全体で約10万本もの髪の毛があり、全ての髪の伸びた部分を合計すると一カ月で約1kmも伸びています。
これだけの成長をする細胞ですので、体調や悪い生活習慣、栄養バランスの乱れなどによって、わずかに頭皮環境が変化するだけで髪が受ける影響はとても大きいものとなります。

髪が伸びるのに大事なのは毛先ではなく毛根とそれを支える頭皮

これまでの解説の通り、髪は毛根部分の毛母細胞の細胞分裂によって伸びていきます。その為、髪をしっかりと成長させるためには毛根部分を支える頭皮の状態を清潔に保ち、毛根へ栄養を送りやすくすること、髪がしっかりと成長するような土壌を作ることが大事となり、頭皮環境に対して悪い影響を与える原因を改善することや、十分に栄養を摂るなどが重要となってきます。
次の項からはそんな髪をしっかりと成長させる方法について解説していきます。

「少しでも早く髪を早く伸ばしたい」と考えている方へ

髪の成分や構造、髪が伸びる仕組みについては理解できたことと思います。
では、本題である髪を伸ばすための方法について解説していきます。髪を早く伸ばす為にはいったいどのようなことに気を付け、どのようなことを行えばよいのでしょうか?

しっかりと睡眠を取る

髪が伸びるためには毛根や頭皮の環境が大事になってくるということをお話ししました。この毛根の働きや頭皮の環境を整えるためには生活習慣から見直す必要があります。
まずは、睡眠不足です。睡眠の大事な機能として免疫細胞やホルモンの力で日中に受けたダメージを寝ている間に修復する働きがあります。睡眠が不足するとその分髪のダメージを修復することができなくなり、髪に栄養が送られにくくなります。そのため睡眠をしっかりとることは重要なこととなります。

食事やサプリから十分に栄養を摂る

髪を伸ばすためには十分な栄養を摂ることも重要です。
髪の成長に関わる栄養素としては髪の原材料となるたんぱく質やたんぱく質の合成に必要な亜鉛、ビタミンやミネラルなどがあげられます。
外食、インスタント食品など偏った食事をせずに、肉、大豆、魚、海草、植物油、卵、緑黄色野菜などをバランスよく摂取しましょう。どうしても取りにくい栄養素はサプリメントで補ってもよいでしょう。
しかし、しっかりと食事を摂ることは大事ですが、むやみに暴飲暴食することは良くありません。脂肪分の摂り過ぎは毛穴を詰まらせて常在菌が増殖し毛根や頭皮が炎症することによって逆に脱毛してしまう恐れがあるので注意しましょう。
また、過度の飲酒についても頭皮に悪影響を及ぼします。過度の飲酒は肝臓を弱らせてしまいます。髪と肝臓は関係がないようにも思えますが、肝臓には、髪の毛を構成する栄養素であるたんぱく質を作る機能もあるため髪にも間接的に悪い影響を及ぼします。

無理なダイエットはしない

無理なダイエットは髪の成長にとってよくありません。特に過度の食事制限は髪の成長に必要なビタミン、ミネラル、たんぱく質などの栄養が十分に確保できなくなってしまうため特に注意が必要です。

ストレスを溜めない

ストレスをためないことも重要です。ストレスを受けることによって血管が収縮して血流量が減り、髪に栄養が運ばれにくくなります。また、頭皮の毛細血管も機能しなくなってしまいます。

適度に運動する 

適度な運動も髪の成長には効果的です。運動をすることによって血行が良くなり髪への栄養も行き渡りやすくなります。また、ストレスが髪の成長に悪影響を及ぼすと説明しましたが、ストレス発散の目的からも運動は効果的です。この際に注意したいのは、運動は活性酸素や疲労物質(乳酸など)が溜まってしまうほどのハードなトレーニングはあまり良くなく、有酸素運動が効果的であるという点です。
ウォーキングや水泳やストレッチなどがおすすめです。

首や肩の血行を悪くしない

首や肩の血行が悪くなることによって頭皮の血行も悪くなります。頭皮の血行を良くするためには頭につながる首や肩の血行が悪い状態では血行が良くなりません。なるべく肩や首が凝るような長時間の無理な姿勢などは避けるようにしましょう。

長時間ヘルメットや帽子を被らない

長時間帽子やヘルメットをかぶることもよくありません長時間帽子やヘルメットをかぶることによって通気が悪くなり、汗で蒸れることで頭皮の清潔感が保たれなくなります。仕事などでどうしても被らなければいけない場合は休憩中に帽子を脱いで熱や汗を逃がすなどして被りましょう。

喫煙をしない

喫煙も髪の成長にとってはよくありません。なぜなら煙草に含まれるニコチンが血管を収縮させ血流が悪くなるためです。さらに、一酸化酸素が発生し、頭皮の細胞に必要な酸素が不足して頭皮の代謝が低下します。また、喫煙によって、髪の成長にとって重要な栄養素であるビタミンやミネラルも消費されやすくなってしまいます。

髪に良いシャンプーやトリートメントを使う

髪が伸びるのを促進させるためには頭皮環境を清潔に保つ必要があります。そのためにはアミノ酸シャンプーなど頭皮に優しいものを使ってシャンプーしたり、コンディショナーなどのヘアケア商品も効果的に使用して頭皮環境を清潔に保ちましょう。

正しい方法でシャンプーをする

シャンプーの方法も重要です。シャンプーを直接頭皮に着けてゴシゴシとこすっていませんか?
シャンプーは一度手に取り、少し水を付けてから一度手に取り泡立ててから髪につけるのが良いでしょう。髪に直接つけて髪で泡立てるようにゴシゴシ洗うと髪同士の摩擦によって不要なダメージを与えてしまったり、抜け毛の原因となります。
また、髪の毛ではなく頭皮を洗う意識を持ってシャンプーをしましょう。また、爪を立ててゴシゴシと力を入れて洗わなくても汚れは落ちるので、指の腹で優しく洗うことを心がけましょう。

しっかりとドライする 

シャンプーが終わればしっかりとタオルとドライヤーでドライすることも重要です。洗いっぱなしで自然乾燥させるのは髪へのダメージも大きく良くありません。
髪の外側は毛小皮(キューティクル)で覆われていますが、自然乾燥だと、この毛小皮(キューティクル)が開いたままの状態となり、ダメージを受けやすくなってしまいます。また、濡れたままの頭皮は雑菌が繁殖しやすい状態となっています。

では、正しいドライの仕方はどうすればいいのでしょうか?
まずタオルでしっかりと水分を取ります。その後一度ブラッシングをします。ブラッシングをしないと髪が絡まったままの状態で乾きにくく、ダメージを受けてしまいます。
そしてドライヤーを当てますが、ドライヤーは頭皮から乾かすように当てます。髪の毛先のほうが早く乾きやすいためです。この際、ドライヤーの当て過ぎには注意して、少し離して使いましょう。ドライヤーの当て過ぎは乾燥のし過ぎと過剰な熱よるダメージを受けてしまいます。

髪を伸ばしている途中の悩み、その対処法は

ここまで髪が伸びる仕組みや髪がしっかりと成長するための方法などについて解説してきました。
ここからは髪を伸ばしていく途中で現れる悩みや対処法について解説していきたいと思います。髪を希望の長さまで伸ばす過程でどのようなことに気をつけながら伸ばしていけばよいでしょうか?

量も多くなる、もっさりと膨らむ

人間の髪は全体で約10万本あります。その髪が全て一日約0.3mmずつ伸びています。そのため髪を伸ばしている途中では、必ず全体的に量は増えもっさりとしてきます。
もっさりと量が増えた髪は重くなり、なかなか思うようにスタイリングもしづらくなってきます。その為、髪を伸ばしている途中でも綺麗にスタイリングしやすい状態で伸ばしていきたい場合は美容室で長さは変えることなくボリュームだけ減らしてもらうのもよいでしょう。

広がる、はねる 

髪を伸ばしている過程で髪が傷んでしまった場合は髪がパサパサしてしまい広がったり跳ねたりしてきます。その場合は美容室で傷んだ部分だけをカットしてもらい伸ばしていくか、トリートメントなどでのしっかりとしたケアが重要になってきます。

くせ毛が出てくる

もともと髪の毛にくせがある人は伸ばしている過程でそのくせが現れてくることでしょう。そうした場合にストレートにしたい時は、やはり縮毛矯正やパーマをすることになりますが、極力髪へのダメージを防ぐためにはパーマなどはせずにくせ毛を活かしたスタイリングをするのがおすすめです。

どのような流れで伸ばすか

髪を伸ばしていく際には最終的にどのぐらいの長さまで伸ばして、どのような髪型にしたいかをしっかりと考え、具体的なイメージを持つことが重要です。
また、その長さとスタイルにたどり着くまでにどのようにして伸ばしていくかを考える必要があります。
自身の髪質に合わせて希望の長さに至るまでの過程をイメージしながら、伸ばしている途中ではどのようなスタイリングをしていくか、どの部分の髪は切っていいかなど、ただ切らずに伸ばしていくだけでなく、伸びるまでの流れを考えて伸ばしていきましょう。

中途半端な長さの髪でのスタイリング方法とセットしやすい髪型

セットのポイント

伸ばしかけの髪はボリュームも多くなってしまいます。そのためスタイリング剤でセットする前にドライヤーでのベースづくりが重要なポイントとなります。しっかりとボリュームを出したいところは髪を立たせて、ボリュームが出過ぎてしまうところ、押さえたい所はドライヤーでしっかりと抑えてメリハリのある髪型を作りましょう。
スタイリング剤はドライなワックスなどよりも髪に馴染みやすいムース、ジェル、クリーム系やグリース系のスタイリング剤がおすすめです。またヘアゴム、ヘアバンド、ヘアピン、ニットキャップ、ハットなどでのアレンジを試してみても良いでしょう。

伸ばしたての時(ミディアムまで)

ショートからミディアムまでの長さに伸ばすまでにはどのようにしたらよいのでしょうか?
ショートからミディアムまでの長さに伸ばしている途中はただ切らずに伸ばしているだけだと重くぼさぼさした髪型になってしまいます。サイドや襟足は短くカットしたり、ボリュームだけ減らしてもらったり、前髪を上げてセットするなど工夫して清潔感を保ちながら伸ばしていくのが良いでしょう。

ツーブロック

ツーブロックアシメトリ
画像提供:九もん Hair Studio

サイドは刈り上げてもいいという人はツーブロックがおすすめです。伸ばしている途中ではサイドのボリュームが気になる、サイドが広がってくる人も多いのではないでしょうか?
そういった方はサイド以外を伸ばしていきボリュームが出やすいサイドは刈り上げていくまたは短くカットしていく方法もあります。

ニュアンスパーマ

ニュアンスパーマ
画像提供:九もん Hair Studio

伸びかけで重たい印象になってきたなと感じたらニュアンスパーマをかけて動きと軽さを表現するのもよいでしょう。

中途半端な長さの時(ミディアムからロング)

ミディアムからロングにかけて伸ばしていく際にはパーマをかけてみたり、ウェットな質感のセットをしてみるなど工夫してセットしていくのがおすすめです。無造作になり過ぎないように注意して伸ばしていきましょう。

スマートマッシュ

スマートマッシュはスタイリングもしやすく、おしゃれな印象を与えます。

くせ毛風パーマ

くせ毛風パーマは長さを残しながらもきっちりキメ過ぎない無造作で柔らかい雰囲気を持ち、自然な印象を与えることができます。

まとめ

髪そのものについて、髪が伸びる仕組み、髪をしっかり成長させるためにできることや、髪を伸ばしている途中に気を付けたいことなどについて解説してきました。
様々な理由から髪を早く伸ばしたいと思うことはよくあることでしょう。そんな時はやはり生活習慣の改善、髪の成長に必要な栄養をしっかり摂ること、基本的な頭皮のケアなどが重要となってきます。

小さなことでも人間の体の中でも成長が早い髪にとっては大きな変化となります。まずは自身の生活を振り返り、睡眠は十分にとれているか、ストレスは溜まっていないか、血行を悪くするような生活習慣はないか、十分に栄養は摂れているか、食生活は乱れていないか、頭皮は清潔な状態に保たれているかなどをチェックしてみてください。その中で思い当たることがあればすぐに改善しましょう。
Hidada
久田 篤
発毛診断士

プロフィール

日本臨床医学発毛協会認定の発毛診断士。自身も薄毛で悩んだ経験から育毛業界に参入、育毛剤やシャンプーの研究開発に携わる。また、育毛開発プロデューサーとして薄毛に悩む顧客に対し、多くの発毛成果を上げ様々なニュースサイトで取り上げられる。美容室コンサルタント、育毛コンサルタントという顔もあり、過去の発毛実績を基に『最後に読む育毛の本』を出版。久田篤のブログ:髪フサフサ.com(http://husa-husa1ban.com/