【ブリーチで髪は痛むのか】ブリーチ剤の成分から髪に与えるダメージまで男性必見のガイド決定版

歳を重ねて薄毛が気になり始めた男性の中には「もしかして若い時にブリーチを使ったからでは?」と悩んでいる方がいませんか?
もしくは現在進行形で髪色を変えるためにブリーチを使っていて将来薄毛にならないか気になっている方はいませんか?
そんな男性方のために、今回はブリーチと髪の関係性、本当にブリーチは髪を痛めるのかを詳しくご説明いたします。

Hidada
久田 篤 監修
発毛診断士

目次

  1. 01ブリーチとは
  2. 02自分でブリーチするのはリスクが高すぎる
  3. 03髪を明るくするならヘアカラーのほうがいい?
  4. 04髪も頭皮のダメージも最小限のブリーチサプリとは
  5. 05薄毛が心配でもブリーチはできるのか

ブリーチとは

ブリーチと言えば髪の色を変える事と思いがちですが、厳密には違う意味になります。
ブリーチとは髪の毛の色素を抜く、つまり脱色を指す言葉です。

髪色を変えるとなるとブリーチと同じようにヘアカラーも選択肢に含まれると思いますが、ブリーチが色素を抜く事に対してヘアカラーは色素を入れる事で髪色を変えています。
ブリーチとヘアカラーを同じ物として考えている人が多いので、まずはこの違いをしっかりと覚えておきましょう。

ブリーチは色素を抜く事で髪色を変える方法の事です。
元々が黒色の髪と白色の髪の状態で、例えば青色の髪色にしたいと思った場合、どちらの方が綺麗な青色の髪になると思いますか?
これがブリーチが人気の理由の1つです。より綺麗な髪色にするためにも1度ブリーチで脱色する人が多いんです。

ブリーチ剤の成分

髪の毛の色素を抜く事ができるブリーチ剤には果たしてどんな成分が含まれているのでしょうか?
ブリーチ剤の主成分はアンモニアやモノエタノールなどのアルカリ剤と過酸化水素などの酸化剤です。
染めた髪を脱色するための脱染剤や酸化助剤が含まれている事もありますが、ブリーチとしての役割とになっているのは主にアルカリ剤と酸化剤の2つになります。

それでは具体的にこの2つがどのように脱色するのかをご説明します。

髪が脱色される仕組み

そもそも髪の色は髪の中に含まれている2つのメラニン色素によって決まっています。
黒髪の人はユーメラニンという黒いメラニン色素が多く含まれており、茶髪や明るめの髪色をしている人はフェオメラニンというメラニン色素が多い事になります。
ブリーチをするという事はこの2つのメラニン色素を分解していく流れになります。
具体的にはまずアンモニアなどのアルカリ剤が髪の毛の外側にあるキューティクルを開きます。
髪の毛の内側にあるメラニン色素に働きかけるために、まずは髪の毛全体を覆っているキューティクルを開く必要があるからです。

そして髪の毛の内部に過酸化水素が流れ込み活性酸素を発生させて、メラニンを分解して化学構造を変化させます。
この変化によってユーメラニンやフェオメラニンが元の色を保てなくなって、脱色されていく事になるのです。
順番としてユーメラニンが先に分解されてその後にフェオメラニンが分解されます。
そのためブリーチをしても黒からいきなり白に変わったりしません。
ブリーチの回数や放置時間にも依りますが、茶褐色や赤褐色、オレンジや黄色などを経て脱色されていく事も多いです。

髪へのダメージ

ブリーチをすると髪が痛むと言うのはほとんどの方が仰るように事実です。
そもそもキューティクルというのは髪の主成分であるタンパク質や栄養を保持するための役割を担っていますので、それを無理やりこじ開ければ髪の毛にとってよろしくないのは容易に想像できますよね。
キューティクルを開くだけでも髪の毛へのダメージがあるのに、ブリーチの場合はさらにそこに過酸化水素が流れ込むのが問題になります。
過酸化水素がメラニンと反応して脱色していくわけですが、この過酸化水素は髪の毛の主成分であるケラチンすらも分解してしまいます。
ブリーチを複数回繰り返した人が「髪の毛がゴムのように伸び縮みする」と話しているのは、このケラチンの分解が原因です。
髪の毛の中身がスカスカになってしまっている、ピンとした張りのある髪の毛では無くなってしまっているからこそ起こる状態です。

ブリーチをすると髪の毛へのダメージが間違いなく存在する事をしっかりと覚えておきましょう。
髪の毛が溶けたという体験談を聞く事も多いほどですので、使い方を変えればダメージが無くなるという事はまずありません。
ブリーチにはそういった危険性がある事を覚えておいてください。

頭皮へのダメージ

ここまでブリーチに含まれる成分、脱色のメカニズムを説明しました。
髪の毛には確かにダメージがある事が良く分かったかと思いますが、では今度は頭皮にダメージがあるのか気になりますよね。
ブリーチの主成分であるアルカリ剤や酸化剤などでは頭皮に直接ダメージが与えられる事はありません。
しかし人によってはアレルギー反応を起こす事もありますし、ブリーチ剤によっては配合されている酸化助剤などが原因でかぶれる事もあります。
頭皮へのダメージよりも髪の毛へのダメージの方が圧倒的に大きいブリーチ剤ですが、頭皮へのダメージも少なからずある事は間違いありません。
アレルギー反応が酷いと頭皮がむけたり炎症を起こして髪の毛の健康以前の問題になりかねません。
頭皮へのダメージも十分注意しなければならない事を覚えておきましょう。

自分でブリーチするのはリスクが高すぎる

今では自宅で自分でもできるようにブリーチ剤が市販で売られていますし、美容院でも使用しているブリーチ剤を販売していて、誰もが簡単にブリーチ剤を手に入れる事ができるようになりました。
しかしだからと言って自分でブリーチをするのは安全と言えるのでしょうか?
答えはノーです。
先ほども説明したようにブリーチ剤は髪の毛だけでなく頭皮にもダメージを与えるので、自分の力で頭皮にブリーチ剤を付けない様にしながら脱色効果も最大限活かすのはまず不可能です。
特に自分でやる事の危険性は誰にも相談できない点です。
多少髪の毛が痛んでも、頭皮がかぶれたり異常な色になっていても、気づかない事もあります。
人によってはブリーチ剤の使い方すらも正しくできていなかったせいで、風が吹くだけで頭皮に痛みを感じるほどの症状になっていたそうです。
自分の力でブリーチを行うと言うのはこのように非常にリスクが高い事を踏まえても、それでも予算や時間の都合で自分でやるしかない人は、次から説明する注意点を必ず守ってください。

自宅でブリーチする時のコツ

自宅で自分1人でブリーチをする時の注意点は、まず説明書通りにしてください。
これは基本中の基本で、特に過酸化水素水とアルカリ剤の混合比率は厳守です。
ここすらも疎かにしてしまう人は絶対に自分でブリーチをしないでください。

続いては櫛を使わない事です。
ブリーチ剤を髪に塗った後に満遍なく広げようと櫛を使いがちですが、この時すでにキューティクルが開いた状態になっているので、櫛を梳かすだけでも髪はダメージを受けます。

最後は時間を守る事です。
大体15~20分程度放置すると説明書に書かれていると思いますが、この時間をしっかりと守りましょう。
放置すればした分だけ髪にダメージが蓄積されますので、「しっかりと脱色するためにもちょっと長くやろう」なんて考えないようにしてください。
説明書通りに混合する、櫛は使わない、ブリーチの放置時間はできるだけ短く、この3つは必ず守ってください。

うまくいかない場合はプロにお任せする

自分でやってみたはものの上手く脱色されない、髪の毛や頭皮へのダメージだけ目立ってしまうなんて事は誰もが経験する事です。
だからこそ上手くできない自分を恥じず、美容師などのプロにお任せするようにしましょう。

ブリーチを1人でやる事の1番の問題点は何と言っても誰にも相談できない事です。
上手くできないのが悩みとなって、日常生活にも支障をきたす問題になりかねません。
その道のプロに相談するだけでも精神的に余裕ができ、また自分の思い通りの色合いになる事がかなり期待できますので、余裕がある方は必ずプロの方にブリーチをお願いするようにしましょう。

髪を明るくするならヘアカラーのほうがいい?

ブリーチは髪の毛内部のメラニン色素を分解させて脱色させる方法であり、その過程で髪の毛や頭皮を痛める事になっているとこれまで説明してきました。
最初にブリーチとは別にヘアカラーを説明していたので、もしかしたら中にはブリーチは髪が痛むからヘアカラーにしようと考えている人がいるかもしれません。
しかしその理由でブリーチからヘアカラーに変えようと考えている人は要注意です。
ヘアカラーには染毛剤が含まれていて、これにはアレルギー反応を起こす成分が存在します。
ヘアカラー前には必ずパッチテストを行うよう呼び掛けているのは、このアレルギー反応に注意して欲しいからに他なりません。

ヘアカラーは髪の毛と頭皮だけではなく、流した時に顔を含む体全体に触れる事になるため、アレルギー反応が全身に発生する可能性が極めて高いのです。
痒みや赤み、腫れやブツブツの皮膚炎症が全身の至る所で起きる可能性が、ヘアカラーにはあります。
当然ですがバッチテストで1度でも反応があればヘアカラー全体が利用できなくなりますので、髪を明るくしたい時に人によってはそもそもヘアカラーという選択肢が取れない事をよく覚えておきましょう。

髪も頭皮のダメージも最小限のブリーチサプリとは

ブリーチを行う上で近年注目され始めているのが、ブリーチサプリという物です。
こちらはブリーチが髪に与えるダメージ、ブリーチ特有の匂いや刺激を95%軽減できると言われていて、さらにブリーチ後の毛髪のハリやコシにツヤも維持できる優れものとなっています。

これまで散々ブリーチは髪にダメージを与える、キューティクルを開ける影響によってコシやツヤが無くなると、とにかく髪が痛むという話をしてきました。
もしもこのブリーチサプリが言われているようにダメージを軽減できるのであれば、これまでブリーチを諦めていた人にも朗報ですよね。

では実際にブリーチサプリでは髪が痛まないのか検証していきます。

ブリーチサプリはブリーチと何が違うのか

ブリーチ剤は基本的にアルカリ剤と過酸化水素水を混合しています。
この割合はブリーチ剤によって違いますが、1:1~1:3の割合が多いです。
ブリーチサプリはこの混合のタイミングで一緒に混ぜ合わせて利用する事になります。
こちらも物によって変わってきますが、アルカリ剤とブリーチサプリと過酸化水素水を1:1:12の割合で混合する事もあります。
なのでブリーチサプリとブリーチは根本的に違います。
ブリーチサプリはあくまでもブリーチの反応を弱めるためのサプリメントであり、それ単体ではブリーチとしての効果を持っていません。
ブリーチは髪の毛を脱色する方法であり、ブリーチサプリメントはその効果を弱める補助剤と覚えておきましょう。

ダメージが少ないのは本当?

先ほどアルカリ剤とブリーチサプリメントと過酸化水素水を1:1:12の割合で混合するとお話しましたね。
本来のブリーチ剤としての混合よりも過酸化水素水の量が大幅に増えていますが、これによってアルカリ剤の割合が減少します。
髪の毛が痛む原因はアルカリ剤によってキューティクルが開くからです。
アルカリ剤の割合が減少する事によってこの反応が弱くなるため、髪へのダメージが弱くなります。
当然キューティクルを開く事には変わらないためどう頑張ってもダメージが0になる事はありませんが、ダメージが少なくなる事も間違いなく事実です。

明るくなりにくい?

ブリーチサプリを利用する事で髪へのダメージを減らす事は確かに可能ですが、もちろんデメリットも存在します。
アルカリ剤の反応が弱まってキューティクルを開く力も弱くなっているので、当然ですがその先のメラニン色素の分解の力も弱くなります。

従来のブリーチ剤での脱色ではタンスを思いっきり引き開けて中から洋服を一気に取り出すようにメラニン色素を分解できましたが、ブリーチサプリを使うとタンスをほんの少ししか開けられず洋服を少しずつしか出せなくなっているわけです。
髪へのダメージが弱くなるのと同様に、脱色の力も弱まっています。
美容師たちは髪色の明るさを段階に分けて識別していますが、従来のブリーチでは6~12段階まで明るさが変わるのに対して、ブリーチサプリを混ぜた場合では2~6段階程度にまで抑えられています。
従来のブリーチ剤よりもブリーチサプリを混ぜた場合の方が明るくなりにくくなっているのが良く分かりますね。

クリア剤を配合したクリアブリーチ

ブリーチサプリと同じような効果を持つ物にクリアブリーチという物もあります。
こちらもブリーチ剤の刺激や効果を弱めるクリア剤を配合しているだけであって、当然キューティクルを開けるわけですからダメージは確かにあります。
しかしこちらもブリーチサプリ同様、アルカリ剤の反応を弱めているため髪へのダメージが弱くなるだけでなく脱色効果も弱まっています。
ブリーチサプリもクリアブリーチもダメージは減っても0にはならない点だけは忘れないようにしましょう。

薄毛が心配でもブリーチはできるのか

ブリーチは髪の毛のみならず頭皮にもダメージを与える可能性があるため、ブリーチを何度も行う事で薄毛に影響を与える事は十分に考えられます。
そもそも髪の毛にしろ頭皮にしろ人によって状態に違いがあるため、誰もがブリーチを受けられるとは限りません。
その違いをしっかりと把握できるかどうかがまずは1番の課題になります。
ブリーチを受けられる人はどうすればダメージを抑えられるのか、トリートメントなどのヘアケアはどうすれば良いのかを、しっかりとプロの美容師の方と相談して決めて、怠けずしっかり髪を労わるようにしてください。

ブリーチは髪の毛の内部にあるメラニン色素を分解する脱色方法ですので、髪の毛は必ず痛みます。
傷ができたら薬を塗って治すのと同じように、ブリーチ後の髪の毛もしっかりと傷を治す様にヘアケアしてください。
Hidada
久田 篤
発毛診断士

プロフィール

日本臨床医学発毛協会認定の発毛診断士。自身も薄毛で悩んだ経験から育毛業界に参入、育毛剤やシャンプーの研究開発に携わる。また、育毛開発プロデューサーとして薄毛に悩む顧客に対し、多くの発毛成果を上げ様々なニュースサイトで取り上げられる。美容室コンサルタント、育毛コンサルタントという顔もあり、過去の発毛実績を基に『最後に読む育毛の本』を出版。久田篤のブログ:髪フサフサ.com(http://husa-husa1ban.com/